第八作目が読者の皆様のお手元に届くことに大変嬉しく思います。
日航123便墜落から40年目の今年、森永卓郎氏の遺言を胸にして第八作目を
書き上げることが出来ましたのも、皆様の温かいお心とご支援によるものです。
心より感謝申し上げるとともに、ぜひドンドン広めて下さることを願っております。
思い返せば、第一作目の2010年から15年が経ちました。
正直申し上げて、一つの事件をここまで深く掘り下げて、ご遺族と共に裁判の
証拠となるほどの本を書き上げるとは、まったく予想しておりませんでした。
皆様のご支持があってこそだと思っております。本当に有難うございます。
今回は冒頭に、森永卓郎氏から頂いたメールの内容を掲載いたしました。
サンケイ新聞の無知な記者による誹謗中傷記事や、ネット上のデマ拡散も醜いものですが、さらに参議院選挙を前にした国会議員による自身の票田のための暴言に立ち向かう勇気が出たのは、ひとえに森永氏の励ましの言葉のおかげです。私はその言葉を机の上に張り付けて執筆いたしました。
そして、私にしかできない使命として遺族の声を聴き、元自衛官の声、521人(胎児も含む)の声なき声に耳を傾けて書く決心をいたしました。
また、ご主人と離れて貨物室で死亡した愛犬の声も聞こえてきた気がします。
本来ならば真正面から審理しなければならない司法も逃げ、政治家も避け、
マスコミは見て見ぬふりの状態です。果たしてこれでいいのでしょうか。
死ぬまでにこの事件の真相を知りたいと願い続けてきたご遺族の思いを40年も
無視し続けてきたのですから、これでいいはずはありません。
そのような中、多くの読者から励ましの声を頂きました。
拙著を手に取り、図書館で読んでくれている市民からの激励の手紙や会合が
支えとなりました。どうぞお手に取ってお読み頂きまして、感想など
お聞かせいただければ幸いです。
真実を語る人間に対するバッシングは、いつの時代もよくあることです。
これも第八作目の「あとがき」に書かせていただきました。また、産経新聞がいかにデマ記事を書いたかについても、その主張をすべて客観的証拠をもとにして、新刊本にて論証しております。
ちなみに私は三宅弘弁護士と共に、6月11日に産経新聞の奥原慎平記者に会いました。そこで、私の現役時代の写真、博士号写真、安倍総理夫妻との3人の写真、加藤紘一氏と山下徳夫氏との写真、森永卓郎氏と共にシンポジウムを行った際に撮影した写真などすべてをお見せしながら、2時間以上、取材を受けました。
その際、産経新聞の5月1日の記事は著しく新聞倫理違反であり、不公平、不正確な内容であることを伝えました。三宅弘弁護士から、拙著の裁判での証拠採用や法的根拠についても話をしてもらいました。そして、元幕僚長らの単に私的な会合だけを取材して、いかに一方的な言い分を書いたのか、いかに取材方法が間違っていたのかについても話をしました。あれだけ大きな記事であれば、事前にこちらに取材をしてから、双方の意見を書くのが当たり前です。それを、後ろから殴りかかるような記事であって、それだけではなく、その内容に間違いが多いことも指摘しました。
また、日航123便で自分の息子、娘、甥、姪、義理の妹の5人も墜落死させられた遺族の、しかも個人の墓の写真を事前に許可なく勝手に撮影して、それを拡大して掲載したわけです。
無許可でのそのような新聞掲載の仕方は、新聞協会の掲げる倫理違反であることは明らかです。
いまだに記事にしようとしないわけは、こちらの言い分が元幕僚長らよりも正しいことが明確にわかったからです。それであっても、こちらへの取材をもとに、記事を書くべきです。このままでは産経新聞は世の中に対し、新聞と名乗る資格はありません。
ネット上でも、個人のブログで、無神経にも平気で遺族の墓の写真を掲載している人たちがいますが、これも違法行為です。違法だとわかってやっているならば、故意犯で、罪が重くなります。そして、それを出しているその人間が陰謀論者ともいえましょう。
そういう人たちがネット上で、誹謗中傷やデマを流すという構図を見て、皆さんはどう思いますか。こうやって、墜落原因に疑問を持つ遺族を貶め、いくら私個人を攻撃したとしても、公文書が消えることもありません。
逆に、読者の皆さんは、「ああこの人たちが必死に隠そうとしている、だから本当のことなのだ」と気づくわけです。
過去を見ても、不都合な真実を語る研究者や市民、そして遺族に対してもバッシングをする人たちは、すべて自分にとって不都合だからです。歴史が証明しております。
今、参議院選挙も始まりましたので、それに便乗して、自民党や自衛隊や防衛産業で利益を得ている人や、元機長を名乗るJALからお金をもらって活動する人間やらが、私個人をいくらバッシングしたとしても、異常外力着力点が消えるわけではありません。
つまり、公文書を元に、確実な証拠をもとにして論を張っている人間を、いくら個人攻撃しても、それは逆に、「ああ、こういう人たちが、日航123便の情報開示を妨げて隠蔽しようとしているのだ」と、世の中に知らせていることにすぎません。
いまだに、ひぼう中傷を繰り返す人たちも、いい加減にそれぐらいわかったらどうかと思います。
ユーチューバーの中でも、まっとうなことを言う人を攻撃して消し、デマを吹聴する人をサクラ隊が持ち上げて、再生回数を稼ぐ人たちがいます。
この日航123便をネタにして、遺族や私をバッシングすることで金銭を得て、再生回数を稼ぐという人たちのやり口は、実に醜い行為です。
それで何がこの国の未来とか、国益というのでしょうか。
拙著で取り上げた、50年以上前のフランス空軍によるエールフランス航空の誤射についても、当時のトップがテレビで謝罪しました。だからといって、フランスの国益は損なわれません。むしろ、正直に話す軍隊のトップに対し、よく言った、と国民は信頼を寄せるのです。
私に対してのみならず、墜落原因に疑問を持つ遺族をいくらバッシングしても、それは逆に宣伝効果にしかならない、むしろ、元自衛隊の幹部らに不信感を持つだけです。
いくら私の経歴を見ず知らずの人間が否定しても、取材で会った記者たちや講演会に出席した方々は、ああ、また個人攻撃をしてもみ消そうとしている、とわかっているわけです。もしもその情報で騙されるとしたら、無知で本を読まない無教養の人だけでしょう。
ネット社会でバッシングをすればするほど、真実を語っている人なのだと思って頂き、大変光栄です。
読者の皆さん、どの人間が嘘つきなのかを見極めるいいチャンスですので、じっくりと見定めてください。
そのためにも、第八作目をお手に取って、じっくりとお読み頂ければ、これほどうれしいことはございません。
応援のほど、よろしくお願いします。
青山透子 出版記念の日にて
追記 遺族の吉備素子氏は、石破茂総理宛て、佐藤正久議員あて、中谷元議員あてに、すでに抗議文と面談の要望書を提出しています。ところが、一切無視をされています。
自衛隊員幹部の声ばかりを掲載した産経新聞もそうですが、墜落原因に疑問を持つ遺族の声すら無視をするような政治でいいはずはありません。
その声を「明らかにする会」のHPにある佐藤正久議員への抗議のページで公開しますので、こちらもお読みください。