管理人です。
ユーチューバーK.W.氏が、神妙な顔つきで、周回遅れの過去の古い誤情報を流しているという情報が入りましたのでにお伝えします。
そのユーチューバーは、「日航123便墜落の真相を明らかにする会」に所属し、ご遺族の吉備素子さんにインタビューをしたい、力になりたいということで準会員でしたが、情報を取るだけ取ってその後、いつのまにか変節し、過去の古い誤情報を流す役割となってしまったようです。いまでは、誰もが不思議に思うほど、一体、どこに軸があるのかわからず、何が言いたいのかもわからず…。裁判記録も読まずに詳細も知らず、青山氏への侮辱罪、名誉棄損も成立するため、昨年より偽情報に対して何度か本人に忠告をしましたが、結果として、ご遺族の吉備素子さんから明らかにする会を除名された人物です。会員でありながら明らかな信義則違反です。
該当動画を削除しない場合、断固法的措置を取ります。
吉備さんからのコメントを皆さんにお伝えします。
「ユーチューバーさんとして駆け出しの頃、まだ誰も見ていなかった時、私も青山さんもあなたを信頼して、いろいろな資料も提供してきました。その資料は裁判資料にもなるほど詳細なもので、日航側は一切否定できませんでした。
しかし、裁判が最高裁での審理中の昨年ぐらいより、あなたは、いきなり日航の元パイロットを出してなんやら言わせて、次に、事故発生時の私らをだました人たちによる古い映像をぴっぱりだし、私が「これはおかしい」と何度も思ったことを、いまさらながら取り上げて、過去の言い分が正しいといわんばかりのネットを流しているのに大変驚きました。あなたが取り上げた映像は、私が疑問を持ったことを無視してきた人たちです。当初私らを煙に巻いた人間たちの使い古した偽証言を出して、やはりそれが正しいを思わせるような動画による偽情報の拡散は止めて下さい。今、私は大変怒っています。怒りが込み上げてきます。
今まで私が持った疑問を解決してきたのは、裁判資料に全部出ています。「明らかにする会」に連絡いただければ、どなたさんにでも弁護団から閲覧を可能にしますので、ご遠慮なくおっしゃってください。その時は弁護団の事務所に来て閲覧していただきます。
世間の皆様、私たちは、過去の証言や過去の番組がデタラメであると気づき、39年も前から疑問にもって、ようやく裁判という公の場に、これらの疑問を検証して証拠として出したのです。
それにもかかわらず、また逆戻りをして、当時のデマを世間に流す役割に、貴方がなっているとは、非常に残念でなりません。
ワタナベケンタローさん、私はあなたの動画に出演してしまったことを深く後悔しています。私の動画は消してください。日航123便遺族 吉備素子」
これをもって削除要請といたします。
以上、管理人でした。
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なぜ彼らは信憑性に欠けるのか
青山透子
この日航機事件を語る時、注意しなければならないことは、当時の古い情報は全て誤情報であったという事実です。過去の様々な資料を読破した結果、これはおかしい、と思い、私が執筆した際、過去のあらゆる証言と事実を調査してきました。つまり、このユーチューバーの動画で指摘することなどは、当たり前にすべてわかっていたことばかりです。そのうえで、それを基本とし、その証言や事実を一つずつ検証をして調査を行い、その結果、結論が異なる、ということにようやく至りました。つまり、これだけの長い年月を経て私の作品があります。これが研究というものです。
それをすべてすっ飛ばして、過去の受け売りで動画を配信する意味などありません。
例えば、そのユーチューバーが何度か取り上げている藤原論文で論拠となる「日航の平沢専務」に関して、次のようなことが書いてあります。
当時の日航整備部に所属していた藤原源吉氏の論文「日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故」のシリーズ「技術と人間」から平沢専務に関する一部分を抜粋します。
「~日航の方は平沢専務が、事故調の方は武田委員長が受け持ち、公文書捏造を担当した~」
技術系専門論文集「技術と人間29」(6)より抜粋 藤原源吉著
つまり、日航の平沢専務は、事故調査の内容や結論を捏造した、責任者たちを役員に棚上げして口封じを行った、と書いてあるわけです。皆さん、ねつぞうですよ!明らかな違法行為であり、あるまじき姿です。さらに彼は、「口封じをする役割であった」とも書いてあります。ちなみに、この平沢専務は平沢技術部長時代に修理ミス及び事故発生時の最高責任者でした。(拙著「JAL裁判」のP278参照、藤原論文2000年6月号参照)。つまり、平沢氏はまず最初に技術部長として捏造し、その後専務になり、そして自分になびいた部下たちを役員にした、ということです。200ページ以上に及ぶ藤原論文には、何度も「H氏」が、過去からあらゆる場面において隠蔽してきたことが出てきます。そのH氏は、「平沢技術部長(修理ミス及び事故発生時の最高責任者で、今までH氏と匿名で書いてきた)藤原論文より抜粋」と明確にしています。
「~何も知らない遺族や国民は騙せるというのが日航のH氏一味のやり方である。その事実も知らないで、専門家も、航空評論家、文筆を業とするひとたちも、様々な説を著作として出版し、これまた何も知らない一般社会人の人心をデスターブさせているのが昨今である(藤原源吉、日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故より抜粋)」
その人物が提供したビデオ、その人物が出ている映像に、いまさら何の意味があるのでしょうか。
また今、圧力隔壁説を強調する本「松尾ファイル(徳間書店)」が出版されたそうですが、その資料の提供者の松尾芳郎氏は、
藤原論文によれば、「平沢、松尾、岩崎、村田などを幹部とした日航の裏組織(マフィアと俗称され、整本(注:整備本部のこと)内では、家ダニのごとく忌み嫌われていた。彼等は本格的な技術力はゼロだが、権力にしがみつくことだけが目的の達成であるから、事故続発との相互関係が非常に高いのも客観的事実である。またマフィアと批判した者などは、ことごとく消されるか、左遷となるので、ただ無気力なブロイラーのごとき体制を呈するようになっていたのも事実である(藤原論文より抜粋)」
この平沢も平沢専務のことであり、松尾も松尾芳郎氏のことです。
技術と人間29(5)104ページより抜粋 藤原源吉論文
ちなみに、この松尾芳郎氏のお父様も日航でした。お父様の松尾静麿氏は「臆病者と言われる勇気を持て」という名言を残された方で、私の一番最初の「天空の星たちへ」の帯にそれを記しています。その息子さんとあろう方が、いまだに日航マフィアと呼ばれていた時代と同じ隠蔽に加担し続けるとは!情けない限りです。もしかすると、最後の懺悔の告白本と思いきや、嘘の上塗りのような本で、大変残念でした。
「技術と人間」というタイトルからもわかる通り、たとえ優れた技術があったとしても、それを使う人間がいい加減であれば大事故が起きる、というのが、この論文集の主旨でありテーマです。
さて、過去の言い分を正当化する「平沢専務」の「削除覚悟のビデオ」などをもとに、過去の人物や映像を登場させて語ったとしても、当時を知る日航内部の人間にとっては、この論文の通りであって、動画に出てくる人物は、当時の隠蔽の担当者であることは明々白々です。(整備士による複数証言あり)。
それも知らずに動画で取り上げたとすれば、重大なミスであり、片手落ちです。
したがって、過去のビデオや当時の隠蔽番組からは何も学ぶことなどありません。なお、この藤原氏は当時様々な問題提起をして内部告発したところ、精神病扱いにされて左遷されたそうです。ひどい話で、大変お気の毒でした。これが当時のJALでした。
追加で言えば、この論文は既に拙著(JAL裁判P269~P279)で取り上げているのを知ってユーチューバ―が取り上げていたようですが、都合が悪い部分を読まずに世間に伝えてはなりませんし、当然、このシリーズのすべてを視座に入れて全論文を読まなければ意味がありません。この平沢専務以外にも、藤原論文には当時の整備に関して「浅田、野田、中溪」という名前が出ており(技術と人間、2000年6月号P102)、彼らの合理化案と隠蔽が事故を生んだということです。ただ一つ残念なのは、この藤原氏が「異常外力着力点」を知らずに書いた論文ゆえ、その点は差し引かなければなりません。藤原氏が著作したこの論文の掲載年は1999年から2000年であり、2013年の報告書別冊の存在は知らなかった様です。異常外力着力について別冊に記載されている計算式に基づき、それをもとにして論じてほしかったです。
いまさら過去に逆に戻るような、偽情報の垂れ流しは絶対に許されません。
古い映像を出せばそれが正当化できるというのでは、あまりにもお粗末であることを、もっと自覚してほしいと思います。
「異常外力着力点」ときちんと向きあうべきです。
さらに、科学的データにもとづき、当日墜落現場の山中で使われた燃料が武器燃料であるという結論を「うわさ」話やデマだと動画で否定するならば、あなたが自分でそれを証明しなければなりません。
つまり、裁判では、否定するほうが実験をして、否定を立証しなければならないのです。その否定する根拠を自ら客観的に、研究機関にて科学的に証明しなければならないのです。それをせずに「噂話」と言ったことに対し、徹底的に抗議します。
「異常外力着力」は、事故調別冊を丁寧に読めば明らかに存在していることを裁判で指摘しましたところ、JAL側は何も反論できませんでした。判決は情報開示請求を不開示、とした理由は、「吉備さんは和解したから終わり」ということであって、異常外力着力点を否定されたわけではありません。むしろ否定をJALが証明できなかったのです。それもわからず、ワタナベ氏が裁判結果の誤情報を垂れ流す動画も絶対に許せません。
吉備さんの動画同様に、その動画の即時削除を要請をします。一週間で消えていない場合、法的措置を取ります。それがネット動画で虚偽を流布した責任です。裏に指示をした人間がいれば、白日の下に晒し、裁判で明らかにします。吉備さんは怒り心頭です。
ちなみに、こちらはすべて科学的データと証拠を裁判所に提出しています。
このユーチューバーのように、何の科学的証拠もなく、古い映像のみを取り上げて、しかも、隠蔽担当者の話を事実だという人物こそ、デマを世間に言う虚偽の罪が問われかねません。虚偽は人をだます詐欺にも通じる重大な犯罪です。
都合よく変節して視聴者数稼ぎをしている、と言われても仕方がありません。
思えば、あなたは最初は米軍の仕業であることを強調しており、だんだんと自衛隊の仕業であることが分かってきた頃より、JAL側、政府側の口ぶりに変節していったように見えました。そして今や、政府筋の金が入ったような広報マンと化したと、以前のあなたを支持していた方々から失望と疑惑のメールも届いていました。もしも、万が一、そのユーチューバーの古巣が仮に自衛隊であれば、または自衛隊関係者が身近にいるならば、自分に厳しく正面から異常外力の着力を検証していただきたいと思います。
私は古巣のJALだからと一切かばうことなく、日航が嫌がるほど厳しく追究し続けてきました。日航の欠点も高浜機長と自衛隊の関係も追及してきました。それこそが本当の会社への愛であり、公共の器としての航空会社のあるべき姿であろうと思うからです。それを意識しない限り、悲惨な航空機事故の再発防止などありません。
その厳しさは、新刊本をじっくり読んで頂ければすべてわかります。
いま、パリオリンピックの最中ですが、過去の記録を更新して、新たな地平へ向かうことこそが人間の進歩であり、学術的思考です。進歩とは、そして学術的研究とは、過去を否定して検証することから始まるのです。すべての科学的思考はそこからくるのです。
いよいよ発売です。真実の地平にむかい、皆さんと一緒に真相を洞察していきましょう。