青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相

日航123便墜落事件の真相を追究するー歴史的裁判開始の幕開け

悪意ある書き込みが消えましたのでお知らせします

私のウイキにあった悪意ある偽情報と作為的で悪質な書き込みが、今朝、早朝に消えましたので、お伝えします。

昨晩から一週間の猶予を与えましたが、即、消されたとのことです。

悪意の書き込みには、事実をゆがめ、あのように多くの嘘が含まれています。それをいかにもまことしやかに伝えてきますので、皆さん、今後もご注意ください。

 

裁判に提出された私の信ぴょう性と客観性のある資料の正当性に対して、危機感を覚えた被上告人の日本航空や、昔から否定したい自衛隊関係者は、こうやって悪意を持ってメディアを使い、世論を誘導したいのでしょうが、事実は消せないのです。日航も自己反省をすべきところ、逆に私を貶めようとすること自体、愚かな行為です。

それから、ウイキペディアで、この公式サイトのアドレスのリンクを張ろうとすると、削除する人間がいるとのことです。私のウイキに私の公式サイトをリンクするのは当然でしょう。

不都合ゆえ消すのですか?これも誰がリンクをさせないのか、徹底的に調査します。

 

今後も一切、許しません。青山透子

 

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管理人です。

昨日、吉備素子さんから電話があり、ぜひ皆さんに伝えてほしいとのことですので、お伝えします。

 

「ザ・世界仰天ニュースとやらを見ました。醜く、あきれるほどの番組でした。辛うじて、昔の不起訴となった裁判のことは言っていましたが、現在の情報開示裁判のことや、後から公表された「異常外力着力点」による垂直尾翼崩壊は言わず、公平性ゼロ。ほんまにいやになる番組でした。

杉江弘という人は、元日航パイロットを名乗っていながら、私の目撃証言を否定しました。上野村の小学生たちの目撃証言も否定しました。杉江は劣った情報しかもたずに、勝手に全部否定しました。杉江さん、ご自分のパイロット仲間を守りたいのかどうかわかりませんが、迷惑です。こんな番組の監修をするようですから、よほど読売系に恩義があるのでしょうか?親身になって力になってくれている青山さんとは真逆ですね。

私は自分の意思で裁判を三宅弘弁護士にお願いして、青山さんに調査してくださるようにお願いをしました。それをいつまでも、まるで私がだまされているとか言いふらす悪意のある人が、まだいます。青山さんの本をゴミと誹謗中傷する人がいまだにいます。これは十分に名誉棄損に当たると弁護団に聞きました。

そして、裁判は青山さんが本を書くためにやっているとか、裁判費用を捻出させようとしているとか、まったくの嘘とデマを流して得意になっている人がいます。

二度とそういったデマはやめていただきたい。

もしも、今後そういう書き込みを見つけたら、私は許しません。弁護団も許しません。

こうやって、親身になって下さる人たちをおとしめ、自己都合でうそをつく、そんな人は、私の目の黒いうちは野放しにさせません。

皆さん、私は38年間も長い間、こうやって、悪意をもった嫌な人間たちと戦ってきました。

せめて、そっと静かに裁判をさせてください。

青山さんの読者の皆さん、本当にありがとう。皆さんの支えは私のこころの支えです。

一緒に頑張りましょう。有難うございます。ほんまに有難うございます。」

 

偽情報にご注意を! 青山透子

まず、昨晩の「ザ・世界仰天ニュース」に関しては、あまりに稚拙な番組すぎてコメントする気にもなれない。裁判しているとわかっているならば、明らかに不当で中立性に欠けた、情報量に乏しい愚かな内容である。また、パイロットの名前を隠す理由もなく、おそらく何か疚しさがあるからであろう。特に高浜雅己機長についての疑惑はぬぐえないからだろう。

この番組を見た知り合いの報道関係者は、「批評に値しない醜い番組であった。これが日本のテレビのレベルか、かなり劣化している(略)根拠も志もなく企画したのだろう」

日航パイロット杉江弘の監修のレベルはこんな程度なのである。

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なお、こんな番組が平気で放映されるのであればよほど情報操作があるに違いないと思って、めったに見ない自分のウイキペディアをみてびっくり仰天した。そもそも、私は自分のウイキペディアがあるのを知ってみたときには、「著作の問題点」はなかった。おそらく裁判開始後に、悪意のある人間が付け足したのであろう。

そのウイキにある青山透子の「著作の問題点」部分は、おどろくべき嘘ばかりである。

あまりに無知な書き込みなので、証拠を添付して事実を伝える。

ウイキペディアの下記の部分の驚くべきデマ

著作の問題点(そのまま引用)

【青山透子の著作物にはその主張を証明できる第三者機関による検証に耐え得る証拠が提示された事は皆無である。 また新幹線内の電光掲示板という当時存在しない事が証明されている明らかな誤記、物理的に目撃不可能な上野村からとされる目撃情報に至ってはその裏取りを週刊文春が行おうとした際に情報提供を拒否しているなど全般的に信憑性に於いて著しく劣る物である。 客観的証拠や物的証拠によって裏付けのない記述、裏付けの取れない伝聞主体の記述はノンフィクションたり得ない事にも十分な注意が必要である】(2023年11月15日現在)

さて、この文章を検証する。

デマその1

その主張を証明できる第三者機関による検証に耐え得る証拠が提示された事は皆無

 

➡拙著「JAL裁判」の年表と提出資料を見て頂きたい。

2019年3月の訴訟前、行政機関への情報開示請求の際、私の持つすべての情報とその根拠を弁護団に示した。現場での聞き取り取材の現物や写真、当時の運輸大臣山下徳夫氏との会話と写真、当時の防衛庁長官加藤紘一氏との写真と内容、日米公文書、外務省公文書、当時の新聞、論文、大学の研究機関での調査結果の資料と生データそのうえで裁判所に提出、無事に受理、そして裁判開始となっている。

弁護団と裁判官ならびに裁判所に私が提出したものを「第三者機関による検証」という。従って検証済みである。通常のノンフィクション作家よりも、もっと厳しい検証に合格している、ともいえよう。ノンフィクションで裁判資料に使われているのは、あまり前例がなく、より一層客観性が保証されたものである。

裁判資料となった重要性をも無視したのウイキの記述は、明らかに無知、悪意のある書き込みであると断定する。

 

デマその2

新幹線内の電光掲示板という当時存在しない事が証明されている明らかな誤記

 

➡これも無知による書き込み。最近の新聞報道を添付する。

車内ニューステロップは1985年に始まったJR東海が新聞社などと契約して流している。朝日新聞や読売新聞といった全国紙だけではなく、JR東海の本社が名古屋にあるためか、中日新聞のニュースも流れている。」

従って、10985年年から、すでに電光掲示板があったのである。

1967年(昭和42年)にノリタケの子会社になるノリタケ伊勢電子株式会社が蛍光表示管を開発したことが第一歩である。陶磁器製造の技術を生かし、電極用ペースト、厚膜回路基板を開発、つまりセラミック基板への厚膜回路の印刷技術とつながった。それが電光掲示板になる。(1972年~特許)その後製品化して試運転等を行った。

ウイキペディアが逆に誤記をしていることが明白である。

 

toyokeizai.net

 

デマその3

物理的に目撃不可能な上野村からとされる目撃情報に至ってはその裏取りを週刊文春が行おうとした際に情報提供を拒否

 

➡まず、「物理的に不可能な上野村」という点について、「小さな目はみた」や「神流川」に書かれた235名以上の上野村小学校、上野村中学校の生徒たちと保護者の目撃情報を無視している。それを意味なく否定するならば、現役の自衛隊員の目撃情報をも否定することになる。

それは1985年10月号の「上毛警友」である。

以下、表紙と目撃情報部分を掲載する。

目撃者は当時の現役の自衛官であり、目撃した場所は、吾妻群東村(群馬県北西部上野村近隣)である。そこで航空自衛隊のファントム二機を目撃している。時間はなんと午後6時40分。正式発表でファントムが飛んだ21分も前であり、まだ日航123便が墜落していない時間である。

 



注)上記表紙、文書2枚の転載は禁止。引用する場合は、下記を明記すること。

令和3年(ワ)第7609号ボイスレコーダー等開示請求事件・甲11号証・裁判所に提出/青山透子公式サイトより抜粋

 

ここで明確になったのは、まず目撃者は現役自衛官であること。

目撃した場所は、吾妻群東村(群馬県北西部上野村近隣)であること。

そこで航空自衛隊のファントム二機を目撃している正式な情報である。

時間はなんと午後6時40分。

正式発表(午後7時1分出動)とは異なること。

目撃時間は、正式発表よりも21分も前であること。

そして、まだ日航123便が墜落していない時間である。

以上のように、群馬県上野村周辺でも、しっかりとファントム2機が、しかも現役自衛官に目撃されているのである。これは警察の文書であり、消しようがない事実である。

従って、「物理的に目撃不可能な上野村は、まったくのデマ。嘘となる。

この証拠資料は、すでに拙著で何度も取り上げており、このように、私は確かな資料を基にして本を書いている。

なお、この群馬県警が作成した文書は、すでに裁判で提出している正式なものである。余談であるが、今さらご本人を懐柔したり圧力をかけても無駄である。裁判証拠資料として、すでに提出済みなのである。

必死に隠蔽したい自衛隊の後輩たちは、こういった立派な先輩がいたことを誇りに思うべきだ。

 

次に、「目撃情報に至ってはその裏取りを週刊文春が行おうとした際に情報提供を拒否」

の部分だが、まず、週刊文春から私へ取材依頼は一切ない。文春に問い合わせてもすぐわかる。

週刊文春に聞いてもらえばわかるレベルのことを、平気でうそを書くこの人の気が知れない。

実際にそんな取材すらない。つまり、これも捏造の書き込みである。

私の情報提供は、取材申し込みのあった新聞社(朝日新聞の記者、東京新聞の記者、NHKの記者、読売テレビのプロデューサー、他多数)あらゆる人にすべて開示している。目撃情報の取材とコピーまでNHK記者に渡している。それぞれの記者さんの名刺もあるため、直接きいてもらえばすぐわかる。彼らの誰もが裁判で証言できるほど、明確である。読売テレビの時は、一緒に担当編集者も立ち会った。そこで詳しく資料を基に説明をしている。

朝日の調査報道の記者さんの時は大学で行い、教授も立ち会った。各大学での講演においても資料を提供し、目撃情報と取材の現物も全部出している。その時の録音もすべて手元にある。ずっと以前から、上毛新聞社の記者の方にも渡している。

これらのスタンスは今でも変わっていない。

 

私のウイキの「著作の問題点」を書いた人物は誰か。このように証拠と異なる嘘とデマを流す人物は、虚偽・ねつ造の記載者であり、ウイキを書く資格などない。その責任の問う。

私は、弁護団のみならず、記者さんに真実を伝えるために自分が得た情報と証拠はすべて、無償で提供し、すべてボランティアで協力してきた。それを何の根拠もなく、意図的にデマを書いた責任は、きっちりとっていただく。

それにしても、「著作の問題点」を書いた人物は、バカすぎるほど無知蒙昧(むちもうまい)であり、私のウイキという公の場に、まったくいい加減な情報を書いた罪は重い。

これは悪意の塊であり、このデマを糾弾する。

なお、私が修正しようとしたところ、ブロックされていたため、ブロックした‪えのきだたもつさん、ブロックした責任者として、必ず対応をお願いします。

他にも読者の皆さんで、私のウイキペディアを修正し、正しく確実に対応できる方は、ぜひお願いします。

【著作の問題点】の部分を書いた人物は、1週間以内に削除、訂正すること。

それがない場合は、書き込み者を特定して必ず公表する。

誰がこういうデマを流すのか。こういったネット上の悪意は決して許さない!

 

日航123便に関する報道について 青山透子

 

8月12日でもない今頃の時期に、日航123便を取り上げ、誤情報の垂れ流しともいえる「懸命に操縦したパイロット称賛」と「隔壁の修理ミスにすり替えた」番組が、日航の依頼でまた出てくるらしい。

まず考えられるのは、西日本新聞のスクープを装った記事「隔壁検査急いでいれば(署名:野間あり葉記者)2022年8月12日付」の調査不足の記事をもとにした番組であろう。

この記事は、墜落の前から隔壁の点検を提言していたことをネタとして、元事故調査委員の斎藤孝一氏(1985年当時は委員というより見習いだった)へのインタビューや、ボーイング社のサービスブリテンをもとに書かれていた。つまり、日航の整備士が墜落の前から隔壁の点検をするよう依頼していたのに日航の上層部はしなかった、といった内容だろうと推定する。これについてはスクープでもなんでもなく、すでに当時の新聞記事に書かれており、さらに1999年から元日航社員の藤原源吉氏による工学雑誌への投稿論文に、そのいきさつが詳しく書いてある。詳細は、拙著「JAL裁判」の269ページから279ページをじっくりとお読みいただきたい。

しかしこの説は、2013年に事故調自らがホームページにて公開した、研究資料によって打ち砕かれた。つまりこれが直接の原因ではない、と明確に書いてあったのである。(事故調査報告書79ページ、事故調査報告書付録95ページ、101ページ、116ページ参照のこと)

読者の皆さん、これらのページをしっかりと読んでから番組を検証していただきたい。

それをいまさら番組にしたとすれば、情報不足どころか、基本的な勉強もせずに作ったお粗末な番組、となる。

次に、出回っているボイスレコーダーのシロモノについて事実を述べる。

当初、善意の第三者がマスコミに匿名で配布したと、誰もが思っていた。

しかし、その後の調査によって、これは都合よく改変されたものであることがわかった。さらに前後を入れ替えることによって、高浜雅己機長へのバッシングが止まり、逆に称賛されることとなった。実はそれが狙いであった。

裁判開始後、ボイスレコーダーを市販の本のDVD付録にした、しんぶん赤旗日本共産党機関紙)の元記者の米田憲司氏は、訴訟開始後に原告の吉備さんに突然電話をかけてきて「裁判を取り下げるべきだ」と強要したのである。吉備さんは、電話番号も教えていないのに、誰から聞いたのかと大変驚かれていた。不愉快であったという。

米田氏は以前、高浜雅己機長の奥様と古くからのお知り合いだといっていたが、いくら友人だからといって、そんな電話をすること自体がジャーナリストと称する資格などあるのだろうか。ここからわかることは、吉備さんに訴訟をされると、高浜機長への称賛が、逆もどりとなってしまうからである。さらに、米田氏の本の付録につけた代物の真偽が問われかねず、本物のボイスレコーダーを聴かれてはまずいからであろう。

これは、あきらかに原告(上告人)である吉備さんへの圧力である。

そんな代物をことさらに強調し、その片棒を担ぐような報道は、元赤旗記者の米田氏の思惑にのっかることになる。

世論を被上告人のJAL側にとって都合のよい方向に導きたい、そんな思惑にマスコミがのっかってはいけないのである。

さらに、これは裁判中における重大なルール違反である。大企業がスポンサーとなって、金にものを言わせてマスコミに対して行う権限乱用であって、JALの行為は、まるでビックモーターやジャニーズ事務所問題と同様ではないか。マスコミは反省したのではないのか???

今後、遺族が起こした「生のボイスレコーダーを開示せよ」という裁判を無視して、「異常外力着力点」について一切触れずに都合よく改変した番組は、被上告人のJALに加担したことになる。マスコミは「知らなかった」では済まされず、制作者の責任が問われることぐらいはわかるはずだ。

 

 

最高裁の審理中の最中に、被上告人であるJALパイロット称賛のために、市販のボイスレコーダー(都合よく改変された代物)を使用する日航123便の民放番組には、皆さんご注意を!

もしも、原告側が出している裁判証拠の「異常外力の着力点(2013年に事故調査委員会が公表)」を取り上げることなく、これらを無視し、1985年当時の推定のままである「後部圧力隔壁説」以外をトンデモ説と称して茶化してこれを否定した番組の場合は、放送倫理に反する偽情報として、責任を問い、断固抗議をします。

 

なお、ビックリ仰天の番組を監修したという杉江弘さん、必死にパイロット仲間をかばいたい気持ちはわかりますが、あいかわらず使い古した「フラッター説」という非科学的な論を張り、客観的事実や裁判を無視し、「だって異常外力着力点なんて知らなかったから~」とメールで読者に返信をしたあなたが、今回は「知らなかった」ではすまされません。もはや情報不足による言い訳は許されず、一体どういうつもりで監修をしたのか、監修者としての責任をご自身の胸に手を当ててじっくりお考えください。

 

 

 

 

 

祝38年目の日本一 阪神タイガース 幻のハッピ「日航猛虎号」

(青山透子所有写真)無断転載禁止

これは、いまから38年前の1985年8月上旬、阪神タイガースの優勝がほぼ間違いないと確信した日本航空大阪支店の熱烈な阪神ファンの職員(当時は半官半民ゆえ職員と言っていた)による応援団「日航猛虎会」が作ったハッピである。

早々に「60年優勝記念」とあるが、これを着てみんなで応援に行く予定であった。

その二か月後に阪神タイガースは日本一に輝いたのだが、しかしこのハッピは、突然起きた8月12日の日航123便墜落事件以降、日の目を見ることなく、誰も着ることなく在庫となり、倉庫に仕舞い込まれてしまった。

その後、私が日航大阪支店で社内教育を担当した時に支店長から一つ記念にいただき、ずっと長年、大切に保管していたのである。久しぶりに出してみたが、「60年優勝記念」と書かれた文字がとても悲しい。なぜならば、あの墜落で、当時の阪神タイガース球団社長で阪神電鉄専務の仲埜肇氏(享年63歳)と、阪神電鉄常務の石田一雄氏(享年60歳)が亡くなったからであった。仲埜氏の座席番号は33H、石田氏は33Gであった。

その座席のサービス担当はDコンパートメントR3の白拍子由美子スチュワーデス(享年25歳)であった。白拍子さんは、ユーミンの「ひこうき雲」が大好きでいつも口ずさんていたという。色が白くてお人形さんのようにかわいらしいスチュワーデスであった。

それにしても、優勝目前にして心躍る仲埜氏と石田氏は、落ちていく飛行機の中でさぞかし心残りで、狂おしいほど無念であっただろう。

このハッピを作り、応援に行くことを楽しみにしていた日航猛虎会のメンバーは、乗客に阪神タイガース球団社長がいたと知って、この不条理に愕然としたことだろう。

さらに優勝記念で、阪神タイガース祝勝ハワイ旅行計画もあったと聞く。その時、お客様に配布する予定もあったのだろう。

まさか甲子園に行く予定が、御巣鷹の尾根になるとは、このハッピを作ったとき、誰もが思ってもいなかったに違いない。そんな歴史が刻み込まれているのである。

その後、長い年月を経て、私は吉備素子さんと出会った。吉備さんは中埜氏の奥様と大阪の遺族会で出会い、「お母さん」と呼んで奥様と一緒に活動してきた。あの状況で夫を亡くした同士として、気遣いとやさしさ溢れる中埜氏の奥様を吉備さんはずいぶん慕っておられた様子である。

ちょうどそのころ、日航の遺族分断作戦によって信頼関係がもてなくなったり、遺族同士の誹謗中傷に心を痛めていたと聞いた。日航側がそんな愚行と裏工作の仕掛けをする理由は、集団訴訟を恐れていたからであろうが、たとえその裏に政府筋、運輸省(当時)の圧力や指示があったとしても、公共交通機関としての責任も自覚もなく、やっていいことと悪いことの区別もつかなくなっているのか。いまも続く日航の隠蔽作戦は度を越えており、吉備さんの原告仲間であった市原和子さんを、元日航社員夫婦が経営する老人ホームに隔離軟禁し、嘘で塗り固めた状況下で、裁判を取り下げさせた行為は、犯罪であって本当に卑怯で下品極まりない。

38年前にこのハッピを作ったときの純粋な思いは、今の日本航空にあるのだろうか。あの頃の社風は、どこに消えたのだろうか。

* * * * * * * *

2023年6月1日、東京高等裁判所の判決の日から三か月後の9月5日、現在、最高裁にて被上告人である日本航空は、圧力隔壁説を強調した記事を知り合いの記者に書かせたとの内部情報を得た。R.K.(ジャーナリスト・作家、元産経新聞論説委員)氏は、安全啓発センターの語り部の社員を持ち上げた、それがいかにも正しいことを言っているように見せかけたヨイショ記事を書いていたが、それがジャーナリストのすることなのだろうか。しかも記事の6日前は、最高裁裁判所に吉備さんが上告し、受理された日(2023年8月30日)である。

R.K.氏が現在進行中の裁判開始状況や次々と明らかになる事実を書かず、一切取材もせずに「圧力隔壁修理ミス」を8月12日でもないのにいまさら書く理由などなく、その計画性といやらしさは、日本の報道が機能不全に陥っている証拠である。

そして、吉備さんを愚弄するものである。あのような記事や、その作為は一般人にもすぐ見破られてしまう。こういう人がいつまでも表に出てくる以上、吉備さんは訴訟を止めないと決心された。

民放番組でJALを称賛するのも結構だが、スポンサーとして金を積み、無料航空券を渡して作った番組など、世間から冷めた目で見られていることに気づくべきである。

こういった馴れあいやもたれあいが大きな弊害となって、ジャニーズ問題でわかったように報道が堕落してしまうのである。どこに、この日航123便の真相を追究する報道番組があるのだろうか。

あれから38年間垂直尾翼崩壊のきっかけとなった異常外力の着力に関する再調査も一切ない。事故調査委員会も、「~のことから異常外力が発生したと考えなければDFDR(飛行記録装置)記録値の説明ができないことが分かった(報告書p79)」、「~それぞれ異常な外力が作用したことが確からしく考えられる(付録p101」、そして垂直尾翼に着弾をした黒い丸印が書かれた図表(付録p116)」を、一切無視することは、法の支配どころではない。上記のジャーナリストR.K.氏は、裁判記録どころか、まさかこれも読まずに署名入り記事を書いたのだろうか。

プロであるならば、あまりに手抜きすぎるのではないか。

 

先日、調査報道を志す若者と会ったが、その初々しい視点とやる気は、上記のR.K.氏のような人間が仕切るような腐った土壌からは生まれない。よく言う「日本は外圧に弱い」のではなく、外に出なければ芽が出ないのである。

こうやって、日本中に何等かの利益と自己保身を本能的に優先し、面倒なことは「結構です」と言って断り続け、職業の使命を放棄して見て見ぬふりをする人間ばかりが蔓延すれば、まともな人間は育たない土壌に、自らしてしまうのである。

プロとしての自覚を持ち、自分との闘いを軸とし、それを正当に評価する世の中と努力が裏切らない、数値化して目に見えるスポーツの世界がうらやましい。

 

このハッピに描かれた鉢巻姿のカワイイ虎は、素直な目で私たちを見つめている。

38年目で再び日本一に輝き、昨日優勝した阪神タイガースのお祝いに、中埜肇氏と石田一雄氏のご供養と哀悼の意を込めて、この幻のハッピを皆さんにお見せしたい。お二人も天国で目を細めて喜んでおられるだろう。

阪神タイガース日本一、本当におめでとうございます。

青山透子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台は最高裁へ 元日航社員が防衛大臣とは! 

日航123便墜落の真相を明らかにする会会長で遺族の吉備素子です。

青山透子氏の読者の皆さまにどうしてもお伝えしたいことがあり、この場をお借りします。

まず裁判報告ですが、先月の8月30日に、無事に最高裁判所に受理されました。

原告は私、吉備素子、被告は日本航空です。最高裁では、代表取締役社長の赤坂佑二、副社長の清水新一郎と、相手方の名前と本人の住所が明確に書いてあります。

個人としても責任ある発言と態度が問われるという意味だと思います。

これから日本国の最高峰の裁判官によって審議が行われます。

私ら原告弁護団が提出した証拠証明書の膨大な量の証拠資料と、たった数枚の日本航空側弁護士が出した書類をえこひいきなく、政府に忖度することなく、自立したまっとうな立場で、世界的にも、法治国家として顔向けができるような判決でありますように願います。

今までの東京地裁、高裁の不当判決を破棄し、真実が明らかになりますように願っています。

私は38年間という長い年月をかけて、ようやくここまでたどり着きました。世間の皆さま、マスコミの皆さま、この事件を避けないでください。どうかもっと理解してください。こういった公共交通機関が不透明な事故を起こしていては、未来が危ぶまれます。

これは521人の命の裁判です。報道で取り上げないわけにはいかないはずです。

自衛隊の皆さん、過去の人間が起こした過ちを繰り返さないためにも、しっかりと反省をして謝罪をしていただきたい。

公文書に書いてある通り、垂直尾翼に異常な外力を着力させられるのは、あなた方の使用する武器しかいないのですから、そこをごまかさないでいただきたいのです。

そうすることで、逆に災害救助で名を挙げた自衛隊の誠実さが国民に伝わるはずです。

どうぞ自分に問うてください。隠蔽に加担しないでください。

 

私たちが専門的に裁判所に提出した証拠を、根拠もなくいまだに陰謀論という、茶化した言葉を使っているアホな人間、つまり、私ら遺族にとって大変失礼な人間がまた出てきたそうです。本当にいい加減にしてほしい。茶化して得る利益などないのです。

こういう人がいる限り、私はあらゆる方法で、これからも裁判を続けていく決心をしました。

青山さんの本は、読者の皆さんが一番よくわかっているように、墜落原因に疑問を持っている私ら遺族の励みとなっています。

マスコミはどんな理由があったとしても思考停止せず、ジャニーズでのマスコミの態度や姿勢についての反省と謝罪、教訓を活かし、日航機墜落事故の公文書に書いてある事実「異常外力の着力点」を認めて無視せず、自分の出世を考えることよりも、公共のために働いてください。

 

さて皆さんに報告があります。

私は今年、広島サミットの前に岸田文雄首相に手紙を出しました。私らの身近な方々に宏池会関係者が多いので、読者の皆さまの声も併せて裁判報告もかねて出しました。広島サミットで、米国のバイデン大統領と軍隊の隠蔽問題を語り合ってほしいという願いです。夫人外交にも期待しました。バイデンさんは、交通事故で家族を亡くしていますので、きっとわかってくれるはずだと信じています。

青山透子氏は岸田首相に会った経験もあります。青山さんは当時の運輸大臣山下徳夫氏にこの事件についてインタビューをし、その後も政策談義で交流がありました。そういったこともすべて岸田首相に伝えてあります。大学での青山さんの講演会では、政治家へのインタビュー写真とともに、当時の政治家が、中曽根さん以外、いったいどこまでこの事件を知っていたのかについて本音を語っています。

私は手紙で岸田首相に、この日航123便墜落事件についての真相究明を願いました。

すでに2013年、公文書付録で公表されている「異常な外力が垂直尾翼に着弾した事実」を徹底的に調べてほしいと願いました。

さらに、訴訟仲間であった熊本在住の市原和子さん事件の詳細と、自民党衆議院議員で熊本一区の木原稔氏の関与についても調査してほしいという思いも込めました。木原氏は統一教会自衛隊員信者も含む)の票を獲得し、熊本駐屯地に何度も出向いていると、熊本の地元の人たちにお聞きしました。市原和子さんをこちらの弁護団から隔離して会わせず、原告を取り下げさせた老人ホームの院長も木原氏と同性で、木原千鶴元日本航空客室乗務員が事務局長であることも事実ですので、そのまま伝えました。日航123便で亡くなった木原幸代客室乗務員とも住所が近く、お二人は親族のようでした。

すると、一体どういうことかわかりませんが、この元日本航空社員の木原稔氏が、今回の内閣改造防衛大臣になったというのです。

大変おどろきました。

岸田首相はそこに一体どういう願いを込めたのでしょうか。

私は、ある意味でみそぎのようなものなのかと思いました。

岸田さんは、JAL防衛省に対して、お互いに隠蔽しろ、という命令ではなく、お互いに真実を明らかにしよう、ということが言いたかったのだと思いたいです。

それこそが、政治家の使命でしょう。それこそが国民との信頼関係を作るでしょう。

違いますか?岸田さん。

そのための人選だったと信じます。

そして、皆さんは一体この行方がどうなるのか、逐一注目していきましょう。

そこで、木原稔防衛大臣にお願いします。

私ら遺族を再びだますことだけはしないでください。

よろしくお願いします。

弁護団とともに数々の証拠物を精査し続けてきた青山透子氏と読者の皆さんの応援の声は確実に世間に届いています。私ら遺族たちにも届いています。

皆さん、本当に心のこもった応援をありがとうございます。

私らを隠蔽論という人がいる限り、そして、私が弁護団や青山さんや渡辺さんに騙されているとか、そそのかされていると、まったく事実と違うことを言う人がいる限り、それを否定し続けるために、私は元気で頑張っていきます。

吉備素子

 

 

 

非科学的な発想を許してはならない

世間では今、科学的思考でものを考える重要性を訴えている。

フクシマの汚染水問題もそうだが、先日プリゴジン氏を乗せて墜落したブラジル製のエンブラエルジェット機における事故調査は、ブラジルの要請にもかかわらずロシアが国際ルールに従わないで、事故原因の調査を行わないそうである。民間人を乗せた旅客機の墜落原因の調査をしないなど、どれほど異常な事態か誰もがわかるはずだ。

当然のことながら再発防止のために、事故原因を詳細に調査しなければならない。しかしながら世界中どの国も、政治をする側の人間は、特に軍事が絡むと腰が引ける。その隠蔽にはすさまじいほどの巨額の金銭が絡む。それに伴って荒唐無稽な発想も加わり、世間に混乱を招く。

例えば、「物事をよく知らない」、「情報を与えられていない」一般人なら多少は許されることもあるが、この日航123便は、群馬県警日航機事故対策本部長の肩書のある河村一男氏がフェイクを語り、藤原洋次席事故調査官が、マスコミ向けに、黒板に書かれた圧力隔壁を指さして説明をした。この藤原氏は今もなおNHKに圧力隔壁を強調する発言をしていた。当時もまるでそれが正解であるように話をした。しかし、真っ赤なウソだった。

 

それから28年を経た2013年、垂直尾翼に異常な外力が着力」したことが墜落原因であると、公開された公文書から私たちは知った。それでもなお、情報量の乏しい元パイロット、特に杉江弘は、知ってか知らずか、一方的に私の本で記したエビデンスを否定して、異なる墜落原因の指摘を手前勝手に非難した。

事故時の高木養根日航社長の後に代表取締役社長となった運輸省からの天下りの山路進は、吉備さんら遺族の前で「相模湾に沈んだ残骸は引き上げない。必要がない」と断言した。

つまり、私たちは専門家の発言や加害企業の社長の発言ですら、すべて正しいと錯覚する。本人たちの語りの裏側にどんな卑劣な思惑があるか、などとは、当時は夢にも思わなかった。素直に受け入れた結果、バカを見たようなものである。

それがこの日航123便事件である。

さて、まるでひっかけ問題のような低レベルのカラクリの一例を紹介する。これは、専門知識がなくても、小学生でも簡単にわかることである。

 

 

頑強のジャンボ機の第四番目のエンジンが衝突したとされる木の実物写真(一本カラ松)

 

この木の先端に、ジャンボ機の7トンほどある第四エンジンがぶつかり、取れて外れた。そして、森林の中に落ちたので木っ端みじんにバラバラになった。(河村一男著「日航機墜落」から抜粋)

●事故調査報告書の第四エンジンのバラバラ図

 

 

この本で河村氏は、事故調査報告書の一部を上記のように図解で解説をしてくれている。「ジャンボ機のエンジンが木に衝突して外れたので、バラバラの木っ端みじんになったのである」。これが非科学的な内容だと誰もがわかるだろう。

皆さんの大笑いの声が聞こえる。

ちなみに、ジャンボ機のエンジンは4つあり、一つ7トンほどある最も頑強な物体である。それがなぜ木(先端の細い部分)に当たって、しかも、木の側が折れている(力学的に木が負けている)にもかかわらずエンジン側が落ちて、その結果、細かく粉々になって砕け散るのか?

例えば、7トントラックが木の電柱に衝突したとき、電柱は折れるが、トラックが木っ端みじん(細部にわたってバラバラ)になり、跡形もなくなり、その破片が広範囲で細切れ状態で飛び散るわけがない。こういえば、小学生でもわかるだろう。ちなみに、他の3つのエンジンは山の岩斜面に激突してもその原型は留めていた。

なぜか、第四エンジンだけが木っ端みじん、なのである。私たちはこの事実を重く受け止めなければならない。

日航安全啓発センターにおいて、河村氏同様に非科学的な内容語り部(と称するJAL宣伝担当宴会部長)が、永遠と言い伝えていくことを許してはならない。

この場所はJALの新入社員への洗脳機関ともいえるが、その被害は、ここを訪れる一般人、他企業にも及ぶ。どこかの国と同じで、実に恐ろしいことである。

これほど明らかな事実を無視し、圧力隔壁を指さして都合よく改変して言い続ける「洗脳語り部」の仕事をする社員(元社員)たちは、世間を欺き続けていることになる。

この事件について、私たちは科学的思考を取り戻さなければ、いつまでたってもこういった悪意がはびこることにもなる。

 

事故調査報告書に名前を記された専門家の方々の名誉を守ることなど、521人の命と引き換えにすべきではない。

 

追記

当時、「後部圧力隔壁ではない、別の原因がある」と異論を唱えた本を出版した方々に対して、この河村一男氏が即座に批判(一部は新聞広告を利用)して警察組織を盾に圧力をかけ、執筆活動が妨害されたと聞いた。多額の金銭を提示された人もいるという。

また、私の本がベストセラーとなった後、群馬県上野村近隣の駐在所にいたという元警察官から、日誌のようなものが送られてきたこともあった。そこには、「上野村村民は誰も日航機事件を目撃していない」というようなことも書いてあった。一体それで何を証明したかったのか、いまもわからないが、目撃証言を否定するために作成したものだといえよう。

なお、いまだにこういう元警察官もいれば、当時はまだ墜落原因に疑問を持つ遺族の味方になってくれた警察官もいたそうだ。そういう警察関係者は「第二の職場が焼き鳥屋のおっちゃんになってもいい」と言って、親身になってくれたと聞いた。

 

現在、上野村慰霊の園で長年展示されていた上野村小学校文集「小さな目はみた」が裁判開始後に撤去されたと聞く。今年もまったくその文集が見当たらない。

また、日航安全啓発センターでも、以前は展示していたこの文集を、いつのまにかこっそりと書庫に隠してしまった。不都合なことを隠すのは止めるべきだ。

小学生、中学生の文集を隠すことは、世の中で範を示す大人の行為ではない。

上野村も独立した精神を持たなければ、その地で墜落死した521人が浮かばれない。

これは自分たち村民の心意気や過去を否定することにもなるのだから。

あったことをなかったことにしてはならない。

 

 

機長の制服行方不明事件と遺物は何を語るのか

ー遺体の声を聴くー

先の戦争のみならず、現在進行中の戦争ニュースが世界中を飛び交う今、

戦争の悲惨さを伝えるためには、その現場の映像は欠かせない。

軽々しく権力者が口にする核戦争の破滅的な状況を伝えるためには、どうしてもヒロシマの惨状や被爆直後の死体状況、そして長年苦しむ被爆が人の体に及ぼす影響を語らなければならない。どの国も戦争へ向かうことを危惧するが、そのためにはあらゆる情報を封じてはならず、そうしなければ世間に戦争への恐怖心、核兵器の恐ろしさは伝わらない。

それは、38年前に起きた日航123便墜落事件の遺体状況を知る必要があるのと同じである。

上の写真は、私がインタビューをした土肥福子検死医師の表情が物語るほど、凄惨な遺体写真である。御棺に入れる前、手前の看護師の足元にある黒炭のコロコロしたものはすべて離断遺体である。同じ写真が2010年の新聞に掲載されている。

しかしながら、新聞報道では黒炭の離断遺体部分は削除しており、ただ福子医師の呆然とした顔が協調されているだけである。さすがに黒炭遺体の部分は言葉のみで写真で報道できなかったのだと推察する。

私が、検死医師から「再びこういった惨事が起きないように、未来のためにも客観的に分析をしてください」と検死報告書を託され、さらに群馬県警察本部が作成した赤い表紙の「100遺体事例集」を手にしたとき、人とは思えない遺体のあまりのむごい凄惨な状態に、しばらくは直視することは出来なかった。

その際、検死医師が私に語ったのは、「検死の結果で遺体で気になる点は、二度焼かれていることである」ということと、「高浜機長の制服がまったく発見されず、安置所にも出てこなかった。山から降ろされるとき、自衛隊員らにヘリで運ばれてくる途中に、はぎとられたとしか思えない」という大きな疑問であった。そして、「これは極めて遺憾だ」といった。それは、現場で何等かの人道を外れた違法行為(犯罪行為)が行われた痕跡が、乗客乗員の遺体に見受けられる、ということである。そして、それに対する強い怒りの言葉であった。

 

この群馬県警察本部が作成した「日航機墜落事故事件ー身元確認100事例集」は、表題が「事故」のみならず「事件」と並べて記されている。

つまり、「事故と言い切れず、事件である可能性が否定できないからだ」と当時の警察関係者にお聞きした。実際に両方書いてあることがそれを物語る。

その中に、「真っ黒にこげた遺体」という付箋がつけられたページがあった。

この遺体は、かろうじて形は留めているものの、夏山の湿度75%(上野村は連日夕立がすごく、土の上は湿っていた)にもかかわらず、裏も(土に接していた面も)表も丸焦げ状態でカリカリとなっており、検死医師が手に取るとポロリと落ちるほどであったという。

この遺体状況はあきらかにおかしい、という疑問が当時の検死医師から指摘されたものである。

なお、これらすべては「遺物は真相を語る」に掲載している。その詳細は101ページから書いているので、遺体の叫び声を感じてじっくり読んでほしい。

私がここに掲載する決心をした理由は次の通りである。

まず、当時の官僚や官邸は、520人の死亡事故として、単に同数の520人分のお棺を用意すればいいと思っていた程度であったと知ったからだ。

そして、この遺体の惨状や実情も知らず、日本航空の高木養根社長(当時)は全く現場に行かず、当然遺体も見ていない。関係省庁の官僚も遺体安置所には行っていない。仕方がなく来たという感じのトップの人間たちは、あまりの異臭や悪臭にほんの数分でさっさと帰ったそうだ。そして中曽根康弘首相(当時)は、隣の軽井沢町で、事故発生時に一度も現場に来ずに、取り巻きマスコミと一緒に夏休みと称して遊び惚けていたという事実。

世間はこの遺体状況も知らないまま、マスコミは「圧力隔壁破壊が原因」と言い続けた。その弊害は「墜落原因の隠蔽」という形で現れた。

今回、裁判の原告となった吉備素子さんは、この遺体を一つひとつ手に取って夫を探した。4か月もの長い間多くの遺体を見続けてきた唯一の遺族である。その吉備さんが裁判をしているのは大きな意味がある。

しかし、裁判報道は上毛新聞を除き、大手全国誌は紙面での扱いは小さな記事であった。特に一切、この裁判報道をしないのは日本経済新聞である。明らかに日本航空の株価に影響するとの思惑だからだろう。

NHKは、国民のための報道機関であれば、裁判を行ってる吉備さんにインタビューをしてしかるべきにもかかわらずアプローチすらしてこない。

その代わり、JALの当時のグランドホステスと呼ばれた(地方や地区ごとの採用枠)地上サービス職から安全啓発センターの語り部になった日航社員にインタビューをしたのである。語り部伊藤由美子氏は、この写真集を見たこともないだろう。当時の遺体状況も知らずに、墜落原因の嘘の内容を流布する役割を得て、それを定年延長の条件としているようなJAL側の人間であり、その人に何をいまさら聞く必要があるのだろうか。

その記事は昨日ネットニュースに出たそうだが、「まるで正当なことを言っているようにみせるために、わざわざ本棚の前で話す姿を撮影させるなど、ご本人はどこかの教授が語っていると勘違いさせたいのか、そう思わせたいのかかわからないが、この安全啓発センターの語り部は、いくら質問をしても、みな圧力隔壁説を強調するので、それを流布する役割を担っているのだろう」という声も届いた。テレビにも出たらしいが、圧力隔壁当たりを指さして話をしていたらしい。明らかに意図が見え見えであったそうだ。伊藤さんのような語り部の人は、そんな自分に嫌気がささないのだろうか。

私たちは、このJAL安全啓発センターの語り部と、いわゆる戦争の語り部が、同じだと勘違いしてはならない。このJAL社員の語り部たちは、JAL側の「広報宣伝部長(実際の部長ではなく宴会部長のようなもの)」の役割をしているのである。

NHKはそれを知っていてインタビューしたのか?

JAL側の人間の、しかも偽りの原因を流布する役割の人間の言い訳をニュースで流したのである。単なる地上サービス職の伊藤由美子氏が、いかにもJALを代表して反省しているがごとくのまったく意味のない記事であったが、これならば、情報開示裁判について、直接JALの赤坂社長にインタビューをすべきだ。

このNHK記事ように、やらせ語り部を正当化し、いつも同じ遺族(遺族の代弁者のように見せる)を出して、JALの反省の態度をほめて、ただ悲しみだけを伝える記事を出すことにどういった価値があるのだろうか。風化防止にしてはJALにおもねりすぎる。NHKの記者たちはJALに加担してまで、何を隠したいのだろうか。

NHKの役割は何なのだろうか。

NHKに期待するほうが無理なのだと読者から多くの手紙をいただくが、戦争の責任問題を追究する番組やヒロシマの惨状の番組は制作できても、今まさに起きているJAL裁判の報道や吉備さんを取り上げることすらできないのであれば、先の戦争に加担した報道と同様ではないか。報道の矜持はもはや存在しないのだろうか。

38年間、一体彼らは何をやってきたのか。今こそもっとも重要な報道は、JAL裁判の報道であろうが、それを一切無視をする理由は何かを逆に聞いてみたい。

メディアは8月12日に特集を組んで「JALが裁判で遺族と戦う」ことの矛盾点を伝えるべきである。さらに、「現在、最高裁に上告中であるが、38年という通常の開示請求でオープンする時期をとっくに過ぎているにもかかわらず、日航は123便の生データのかたくなに開示せず、しかも裁判所の判断が、これもまた矛盾だらけの不当判決である」という事実を伝えるべきである。それにもかかわらず、報道でなぜ伝えないのか。その立ち位置はどこにあるのだろうか。

38年も経て、いまだに情報開示をしない理由は何か。

「異常外力の着力点」は何かを報道しない理由は何か。

いまだにこれが報道できないのであれば、報道に携わる記者たちのモチベーションとポテンシャルはどんどん下がっていくだけであって、その結果、日本は劣悪な報道人ばかりとなる。まるでどこかの国と同じではないだろうか。これは嫌味でも何でもなく、客観的な事実である。

私が最初の本を書いたとき、ある教授の紹介で品川のホテルでお会いしたNHKのC.M氏は東大卒の女性で、いまはもうずいぶんと出世されていると思うが、真剣に話を聞いてくれた。私と同じ大卒入社したあの頃は、男女雇用均等法の先駆けとして女性が幹部候補生として入社したばかりの時代であった。

しかし彼女からその後、しばらく連絡がなかった。最後に彼女から来たメールには「自分の家族が入院して?介護しなければならない~」などという、およそ仕事のメールとは思えないほどおかしなメールであり、プライベートな理由ばかり書いてあった。

あの頃は、日航安全啓発センターが出来上がって、倒産への道をまっしぐらだったが、そのJALの内部の様子や、JAL倒産前の数々の情報も取り上げてくれることはなかった。倒産後、「青山さんの言った通りになりましたね」というメールが、紹介してくれた教授と私に届いたが、さすがに報道人らしからぬその無責任さには、教授とともに呆れてしまったのを思い出す。

従って、マスコミが「まさかJALが倒産するわけがない」として報道しなかったため、いきなり倒産したので、急激に坂道を転げ落ちるように株価がゼロ円となって大金を失った一般株主も多く、会社更生法適用の際に多額の税金を投入する大変な事態となったのである。

もし今、当時の中曽根首相とともに墜落現場の隣の軽井沢で、現場に行かずに遊んでいたマスコミ関係者がご存命ならば、また、C.M.氏のように日航機事件を取り上げることが出来なかった人たちがあの頃の自分を反省するならば、今こそ、逆に当時果たせなかった分も含め、志のある人を擁護すべきだろう。吉備素子さんを応援すべきだろう。それは、マスコミという仕事を選んできた最後のプライドであろう。後輩の記者たちには、これだけ隠蔽を重ねているJAL側におもねった作為的な記事を書かせてはならない。

8月12日に無念の死を遂げた521人(胎児も含む)のためにも、当たり前に事実を見つめてまっとうな報道ができる日が来ることを、私は心から待っている。 青山透子

 

 

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管理人です。

今週発売の文庫本【日航123便墜落-遺物は真相を語る】は、絶賛発売中です。

吉備さんは引き続き弁護団とともに最高裁判所へ上告中ですが、この本の資料も重要証拠となって入っています。

また、高浜機長の制服行方不明事件に関する土肥福子医師へのインタビューも入っています。なぜ行方不明となったのか、深く考えてみてください。

特に文庫版「はじめに」と「おわりに」をお読みいただけますと、今までの経緯がわかります。皆さんの心からの応援とご賛同を糧にこれからも真相究明に頑張っていきますので、ぜひよろしくお願いします!

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