青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相

日航123便墜落事件の真相を追究するー歴史的裁判開始の幕開け

司法は誰のためにあるのか 道理に反する不当判決

東京高裁の判決に残念と語る吉備素子さん

判決後の記者会見 吉備素子さんと弁護団長の三宅弘弁護士

東京高裁司法記者クラブ 記者会見模様

 

38年間待った判決はたったの10秒!

2023年6月1日、梅雨前のさわやかな晴れの一日であった。

東京高等裁判所には傍聴の順番待ちのために、朝8時半から簡易の椅子をもった傍聴者たちが並んだ。

午後1時20分、法廷写真の撮影のため吉備素子さんと娘さん、弁護団、一般支持者たちが入廷。女性の事務員による法廷撮影の説明が入り、2分間(秒単位で読み上げ)報道各社の写真撮影があった。

その後、土田昭彦裁判長、森岡礼子裁判官、古谷健二郎裁判官らが傍聴席をじっと見つめ、土田裁判長が口を切った。

土田裁判長「令和4年 ネ 第4966号事件、判決を言い渡します。

主文1 本件控訴を棄却する 2 控訴費用は原告が負担する 以上です」

そのあと判決理由が語られると思っていたが、一切なし。

なんと、驚いたことにたったこれだけの言葉を発し、3人は踵を返して真っ黒な背中を見せて去っていった。

判決に要した時間は、たったの10秒もなかった。

唖然とする傍聴席からは怒涛の声や、「なぜ日本航空は被告席にいないのか」「おかしいだろう」という声が出た。

この日のために両足股関節のリハビリに励み、38年間待ちに待った判決を聴くために大阪から来た吉備素子さんを、まるであざわらうがごとくの「しれっと」した判決であった。その裁判長の態度は、ある意味では実にわかりやすかった。

一体、誰のための司法なのか!

あの世で521人の方々は、「自分たちの命を奪った真犯人を突き止めもせず、すべて見て見ぬふりをしてきた結果、日本の司法はこの程度しかできないのか」と、心から怒りがこみ上げてきたであろう。

先日、生前のノートが発見された元最高裁判事の団藤重光氏は、ご自身の裁判日記において(大阪騒音公害訴訟に)政府筋が介入したことを記し、「この手の介入はけしからぬ」と書かれていたが、いまだに続く、この現状にがっくりこられただろう。

過去から、何も学んではいない、これが日本の司法の限界なのかと……。

1985年から膨大な年月が経ち、どの国も30年で公文書の情報は公開される。しかし、この日航123便だけは特別に不開示だ。なぜならば、事故調査委員会は意図的にボイスレコーダー等生データだけを、勝手にこっそりと日航に返却していたことが、実はこの裁判の過程でわかったのである。

これは公文書であったものを私文書にするという、あってはならないことなのだ。

例えば市役所や警察といった公的なところに保管すべき公文書を、こっそりとしかも犯人の一味だった民間の会社に返していたようなものなのだ。公文書のままだと誰もが開示請求できるため、日航に返却しておけば、一民間企業だからという言い訳が成り立つと役人が考えたからであろう。

これは、法的にも異例で卑怯な手口であった。

東京高裁においても、「ずっと真実を知りたいと思って生きてきた、本当の墜落原因を知りたい、夫はなぜ死ななければならなかったのか」というご遺族に対し、またもや不当判決であった。

ちなみに、勝訴判決を聞く被告席や傍聴席には、日本航空の社員は一人もいなかった。

その後、判決をもとに記者会見が行われたが、ここでも吉備素子さんは、

「大変残念でならない。当時は混乱する中、和解をせかされて、慰謝料だけサインをした。墜落原因もわからないままの時だった。後から新証拠が出てきたら、当たり前に開示すべきだろう。『異常外力の着力点』を知ったのはそのずっと後である。今後一切何も要求しない、という和解の条件も異例だったが、それは新たな墜落原因が出てきても一切関係ない、という意味なのか。本当に残念です」と語った。

弁護団長の三宅弘弁護士は、

「異常外力の着力点については完全に無視状態です。それはちゃんと事故調査報告書の付録に明記されているにもかかわらず、再調査すらしない。こんないい加減なもので、ハイ、終わりでは済まされない。きわめて表層的判決と言えます。」と述べた。

521の命を失った原因を追究もせずに、適当でいい、これで終えるというならば、私たちは自分たちの国の司法のありようを恥じなければならない。 青山透子

 

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管理人です。

読者から、「いまだにこういう書き込みをする無知な人がいる。情報が乏しい人のために、事実と法律を教えてあげてください」という情報が来ましたので念のためお伝えします。

「カメラマン(自称)の人の書き込み:

ボイスレコーダーはICAO(国際民間航空機関)の規定によって「事故調査関係者以外には原則非公開」であり、裁判の被告となっJALは開示権限を有していない。開示権限を有していない会社を訴えたからこそ、裁判所は棄却(原告敗訴)の判断をしています。青山本では何も学べませんよ。』

さて、読者の皆さんならばすぐお分かりですね。この自称カメラマンさんは、ICAOが何を規定して何を目的としているのか全く理解せず、それどころか基本的学習をしていないことが明確です。

ICAO本局に問い合わせをすればすぐにわかりますし、英文の条約を読めばさらにわかりますが、どの国も関係者以外非公開、にはしていません。事実、日本での航空機事故裁判や雫石事故等、裁判では当たり前に公開しています。それは加盟している各国共通です。

特に今回の裁判の訴訟書面に記したのことは、日本航空はインドでの1972年日航471便インドニューデリー事故の公開裁判にて、墜落した日航471便のボイスレコーダーを法廷でマスコミや傍聴人に公開していた、という事実です。さらに加えて、その1年後の1973年には、NHK「あすへの記録ー空白の110秒(1973年6月15日放映)」にて、日航自らがボイスレコーダーの生データもとに番組協力をして、一般人どころか公共放送で公開しています。これらは日航にとって公開したほうが有利と判断したからでしょう。つまり、日航ボイスレコーダーを自分たちの正当性のために恣意的に開示したわけです。しかし、日航123便だけは開示しないというのは道理が通りません。事故を起こした航空会社が、このように恣意的に開示、不開示としてはならない、それが事故原因究明のために存在するこの条約の基礎部分であって、世界中の裁判はその流れです。詳細は「JAL裁判」をお読みください。

従って、JAL側の弁護士は、この点について一切反論しませんでした。ICAOは裁判においては当然生データ公開が原則であり、実際の裁判でもそうでした。また、新事実が発覚した場合においては必ず再調査をする、それができる、と定めています。青山氏がインタビューをした英国の事故調査委員もその通りだと言っていました。これを否定することはできません。

もういい加減、このフレーズ「ICAOは原則非公開だから開示できない」を利用するのは、自称カメラマンさんも含め、やめたほうがよいです。ご自身が恥をかきます。

JALの赤坂社長も以前、新聞報道でこのカメラマンと同様のことを言っていましたが、社長がこの程度の認識ではお話になりません。もっと裁判と向き合い、法廷に出頭して吉備素子さんと面と向かい、陳述すべきです。

ただこの裁判で、JALの過去の方便と、そのいい加減さが明らかになりましたので、この点は原告側の勝ちといえます。

裁判で、原告側は膨大な量の書類を提出しています。そのカメラマンさんが「どうしても理解できない、どうしても自説を主張したい」というのであれば、訴訟記録と提出された証拠書類を全部読んだ後に、ご自身で堂々と裁判に出てきて主張されればよいと思います。

それからもう一つ。

「JALは開示権限を有していないから敗訴」というくだりは、あまりに無知なデタラメです。

JALは自分たちは民間だから公的機関ではなく、開示不開示の権限があると主張しています。

この裁判でJAL側の答弁では、会社として権限をもっているからこそ、その権限で開示しない、という主張でした。判決でも「JALは民間企業だからその権限で開示する必要なし」とそれを認めました。

逆にこちら(遺族)側が、事故調査の生データは公共的資料ゆえ、国のものであってJALに権限はないから、もとの公文書に戻すべきだ、JALが国策会社だった時の墜落だからこそ、国民の知る権利にもとづき情報公開が当然です、と言っているのです!まるで逆ですよ!

上記のように、遺族側の主張が正しいのは誰が見てもわかりますよね。乗客を墜落死させた当事者のJALが、自分たちに不利だから、自分のものだから開示できないと主張しているのですから……。

しかもJALは、墜落した時は税金投入で設立した半官半民の国策会社でしたので、裁判所としても「今は民間だから~」というのは苦肉の策の方便といえるでしょう。

 

以上、これらの事実は否定しようがありませんので、いくら必死に否定しようとも、無理です。

皆さん、この自称カメラマンさんのような安易で無知な書き込みには、絶対に惑わされないように裁判記録をしっかりと読み込みましょう。

青山透子著「JAL裁判」の112ページに、裁判でICAOは不開示の理由にはなない、という項目で、それを取り上げて議論した裁判の模様が、しっかりと客観的に事実として記載されていますので、皆さんもどうぞじっくりお読みください。もしも、日本語がわからなければ、英語版をお渡しします。

それにしても、お決まりの文句「青山本では何も学べませんよ」とは、またもや青山本を広めたくないJALの手先と同じ表現ですね(笑)

このカメラマンさんは、本当にカメラマンだとすると、もしかすると当時、ご自身が撮影した現場写真と引き換えに、日航とお金で手を組んだ(取引した)人の一人でしょうか?

こちらにそういう人たちのリストがありますが、それにしても、青山本は読んでほしくない、という気持ちがバレバレです。

皆さん、意地でも読みましょう!!事実を広めましょう!

そしてこの不当判決と覆すことこそが、司法による法の支配の本当の意味であることを実現させていきましょう。

私たちは、まっとうな裁判が行われる社会を望みます。

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事故調査報告書別冊の付録試験研究資料の116ページ(垂直尾翼への着力地点図)は、誰もが国土交通省運輸安全委員会ホームページで見れますのでどうぞご覧ください。特に95ページと101ページに、はっきりと垂直尾翼に着力した「11トンの外力」と記された以上、だれが何を否定しようともこの事実も消えることはありません。

意地になって否定しても無理です。

 

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