青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相

日航123便墜落事件の真相を追究するー歴史的裁判開始の幕開け

なぜJAL機のボイスレコーダーを公表しないのか

日航機側のボイスレコーダーは公表しなければならない

いまだに日航機の機長の名前すら出さない。とっくに回収されて解析が済んだボイスレコーダーもいまだに公表しない。

この事故調査委員会藤原氏は、調査費用やその手当や給料は、すべて国民の税金で成り立っていることをお忘れでしょうか。

それとも日航機は公共交通機関ではない、とでもいいたいのでしょうか。

または、吉備素子さんの裁判開始後、ネット上で日航サクラ隊と詐欺師たちが繰り広げてきた「ボイスレコーダーは開示されない決まり」、「国際民間航空機関ICAOで開示できない」などといった嘘や無知、さらに日航がわざと流したデマを鵜呑みにしているのでしょうか。

過去、事故が発生した航空会社は即座にボイスレコーダーを公開して検証している。報道もされている。あの39年前の日航123便でさえ、即座に発見して回収され、墜落から2日目には解析がはじまり、翌日からその一部が順次公表された。

また、裁判で公表された事例としては多数あるが、特に日航機では機長が事故調査報告書の不備と虚偽記載を裁判で明らかにした「日本航空ダグラスMD-11型JA8580三重県志摩半島上空乱高下日航706便事故(1997年6月8日発生)」が有名である。結局、事故調査報告書が間違っていたとして検察側が上告を断念して、訴えた側の日航の機長が勝訴した。

次に、極めつけは日航が自ら裁判で公開し、さらに事故発生から一年後にNHKの報道で公開した「日航ニューデリー墜落事故(1972年6月14日発生)」である。事故原因が異なることを主張するために、日本航空はこの事故機のボイスレコーダーを「NHKあすへの記録-空白の110秒(1973年6月15日放送)」で提供して、広く世間に公表した。

(これについては拙著「JAL裁判」112頁からをお読みください)

これらの事実をもとに、吉備さんの裁判では証拠を提出していった。

すると、JAL側の弁護士は、当初「ICAOにより公開できない」などと無知を主張した書面を送ってきたが、その後、吉備さんの弁護団にすっかり打ち砕かれた。そして最後には「ボイスレコーダーは秘匿性がなく、すでに公表されているからさらに公表される必要もない」などと、矛盾した答弁をしてきた。

秘匿性がないならば、生データを公開すべきだ。すでに公開されたものに矛盾があるから公開しろ、と言っているにもかかわらずだ。まったく論旨が破綻した答弁であった。

つまり、世間はだまされてはならない。ボイスレコーダーは公開されて当然なのです。

あれだけの大惨事を引き起こし、死者が5名も出ている事故で、日航側のボイスレコーダーだけを公開しないとすれば、それは事故調による明らかな違法行為であって、隠蔽となる。

 

JAL機のボイスレコーダーを公表せよ!と言わない報道は何なのか

唯一客観的報道の女性自身の記事「衝突までの猶予は20秒・羽田炎上事故・複数パイロットが証言・JAL機はなぜ海保機に気付かなかったのか」は、昨日午前に堂々1位となった。皆さんの求める真実を伝えた記事として高い評価を得た。

しかし、いまだにこの記事で指摘しているゴーアラウンドが出来た可能性について触れず、日航ボイスレコーダーの開示に言及する報道は少ない。

あの事故の際、日航パイロットが海保機を発見して、その後20秒あればゴーアラウンドが出来たのである。たった20秒で、炎上せずに済んだのである。乗客たちは恐怖を味わうことなく、愛するペットを焼死させられることはなかった。そして、海保機の乗員が5名も死亡することはなかった。

追突事故とは、双方が悪いのは当然だ。そのうえで、どれだけ責任があったのか、どれだけ回避が出来たのか、それとも無理だったのかを捜査するのである。それを明確にしたうえで、改善策が初めて成り立つ。まだその検証中であって、事実関係を明らかにする前に「個人の責任追及」云々を語るのではない。

それを、都合勝手に「CAの手柄ばかりを強調」して「まるで自分は悪くない」といいたいのか、JALの「紅白饅頭会見」を行った鳥取新社長の能天気さに、世間は怒りがこみあげて当たり前であろう。

 

ではなぜ、JAL機側が気づかなかったのか。海保機側も気づかなかったのか。

まず、私がビーコンライト(衝突防止ライト)に言及したとたんに、NHKの「最新報告航空機衝突はなぜ起きたのかその時パイロットは」でそのライトを取り上げていたが、解説の井上氏伸一氏は、「タッチダウンゾーンの灯火が非常に明るいという特徴がある」と前置きして、見えにくい言い訳を語っていた。これが原因で見えないというのは、明らかに間違っている。

実際に、今回、実機で現役パイロットにも確認してもらったが、海保機はタッチダウンゾーンではなく、滑走路の途中にいたわけであり、そこからチカチカ遠くまで伸びるように光る白い光は、タッチダウンゾーンの光には紛れない。着陸から追突までの時間を考えればタッチダウンゾーンから、随分と距離もある。従って、こういう表現を入れることは素人に錯覚をもたらすのであって間違いだ。

ただ、井上伸一氏の「パイロットは、見えていてほしかった」と語った言葉は、同じパイロットとしての正直な本音であろう。

 

私は、3名のJALパイロットが、訓練中であり、オブザーブの方も緊張して着陸をしているなかで発生したことに理由があると考えている。

つまり、訓練であって操縦に集中し、ヘッドアップディスプレイ等の計器類を見ている中で、管制官の言葉をチェックする余裕すらなく、訓練に気を取られていたからではないか。3人で操縦の確認を話していたのではないだろうか。だからこそ、注意力が滑走路上に向かなかった。従ってファイナルチェックがおろそかになってしまった。

問題の所在は、日航516便の副操縦士エアバスA350の訓練中であり、3名とも操縦のみに集中していたから見逃した、つまり前方不注意が発生したのである。

道路上では携帯電話やカーナビに集中しての事故は多く、何か他の事に気を取られていると、歩道を歩く人が見えにくいのだ。

ここが最大のポイントであろう。

海保機側も、日航機のビーコンライトが遠くから見えていたはずである。

副操縦士が首をひねって確認をすべきところだ。もしかすれば、遠くに見えていて、これよりも先に離陸するのか?と思っていた可能性はある。またはJAL機がどこにいるのか、距離感がつかめていなかった可能性もある。

それからもう一つ。

「No1と言われたから誤解した」であるが、これには異議を唱えるパイロットが多数いる。つまり、誰もが「No1と言われたから間違える」なんてありえない、と答えた。問題の所在はそこではない。事故調か国交省の素人が、何か対策をしろ、と言われて仕事をした気持ちになって、その言葉に注目して改良する、と言っているだけである。

 

いずれにしても、日航側のボイスレコーダーを公表すべきであって、このまま隠すことは絶対に許されない。

日航側は、証拠は一切でていない。音声記録もない。

そんな相手が語る聞き取りが本当に正しいのか?

それを客観的に検証することが出来ない今の時点で、マスコミは情報提供をJAL側から求めてばかりだ。クローズアップ現代偏向報道であった。

もっと公共的視点をもって、事故調に日航ボイスレコーダーを公表すべきと詰め寄ることが出来ないのであれば、マスコミの存在価値はない。つまり、報道がJALと結託して世間をなめていることになるのである。

海保機が、被災した方々への支援物資を運ぶ役割の途中、避けられたかもしれない追突事故を引き起こした責任がJALに一切ないなどとは言わせない。

日航は、世間の怒りを受け止めて、能天気で無神経な新社長を「女性だから」と売り出して宣伝することを中止したらいかがか。5名の海上保安庁職員の死亡や、能登半島地震で亡くなられた方々への哀悼の意を表すどころか、紅白幕で会見を行うなど、言語同断である。

こういった自らの行為が、植木義春氏の無責任きわまりない逃亡劇に不信をいだく人を増やし、益々顧客が離れていくことに、いい加減、気づいてはどうか。