東京高等裁判所の判決はいかに~人としてなすべきことをなすか否か
今、ようやく🌸が訪れた。エゾヤマザクラが満開になり、色とりどりの個性溢れる花々が大地に踊る百花繚乱の日々は、人間が必要とする幸福感をもたらす。
移住中の私にとって観光地に住むということは、なるほどこういうことかと思っている。従って、混雑するゴールデンウィーク中には観光地ではない場所に行き、地元の人しか行かないような静かな公園で花見をしている。そういう場所に実は美しい花々があるのだなあと発見した次第である。
しかし、宗谷海峡の向こう側では今もなお戦争が続いている。国際社会は今、戦争を終結させる努力よりも、この戦争は何十年も続くとだろうと予測するが、それは言語同断である。武器を供与し続け、肥沃な土地の農業や花々が覆う美しい大地を、ミサイル攻撃や爆弾で破壊し続ける政治屋たちによる人殺し政策や、それを支持する武器関係者の金銭欲にまみれた悪意は、一体どこから湧いて出てくるのだろうか。なぜ、豊かな水を守り、大地の恵みである温泉で心も体も温め、自給自足のための土地を確保し、他国の人々を苦しめる侵略などせずに、人として分別のある政治と暮らしが出来ないのだろうか。
いまや国を守るための軍隊ではない時代となった。お金で雇われて戦争を職業としている組織や、性格的に戦うことを楽しみとしているとしか思えない人間や、税金で依頼した軍事会社が商売として参入するような軍隊による戦争である。そこから、一体どんな幸せが生まれるのだろうか。たとえ勝利したとしても、何に対する勝利なのだろうか。国民がそれを望んでいるのだろうか。大義名分もない戦争と言える今、ただミサイルや弾薬を消費したいだけなのではないだろうか。その結果、自然環境も破壊し続け、動物も植物もみな枯れていく汚染地帯と化している。
これらは人としてなすべきことではない。海外に逃げたロシア人にもオンラインで徴兵通知が来るということで、タイのプーケット島でバカンス中のロシア人も真っ青なそうだ。お金持ちといえども違反者には銀行の口座凍結もあるらしい。
このように、国家権力は歯止めが利かなくなると暴走し続ける。だからこそ為政者を法律で縛っておかなければ、恐ろしくて政治など任せられないのである。
実は、日本でもその予兆は始まっている。
つい先日、朝日新聞記者を中心とするジャーナリストやOBたちの会報に、吉備素子さんの訴えを書いて下さった元朝日新聞記者の鴨志田恵一氏のご著書を手にする機会があった。
鴨志田氏は病気療養中に80歳でお亡くなりになったが、その直前までこの日航123便墜落事件を気にかけてくださっていた。
鴨志田氏の著書「残酷平和論(三五館、2011)」副題は、「人間は何をしでかすかわからぬ動物である」である。その中に次のような文章がある。。
「戦争と平和はコインの裏表のように一瞬でひっくり返る。しかし、コインには裏表だけではなく側面も必ずある。それは戦争でも平和でもない『中間状態』であって、実はこの『中間状態』こそが歴史の本体でああり、このことをもっと積極的に考えるべきではないか」
つまり、コインそのものは国民であるが、この側面状態を増やして、コインの側面のギザギザを深くし、厚みを増すことが必要だ。そうすれば表(平和)から裏(戦争)にひっくり返りにくい。常日頃、人として賢く、現実的に生きることを真正面からとらえて考えることが重要である。為政者に、政治や制度作りを任せてきた結果、それを無判断で、無理強いさせられて、一喜一憂するよりも、戦争に向かう歯止めとして、側面を増やせ、もっと賢くなれ、主体的にコインの側面の厚さを増す努力をせよ、もっと自由に発言せよ、ということである。
鴨志田氏は、アラファトやゴルバチョフに単独インタビューを行った方で、剣道の達人であった。この日航123便事件について強い関心を寄せ、何度か会報に記事を書いて下さった。
そして最後のメールには、
「元記者らには、日航123便墜落事故の不自然さにずっと関心を持つものも多く、わたしが初めて青山透子著書を記事として紹介して以来、
東京地裁での初裁判に強い興味をみな持っています。だからこそ、頑張ってください」とあった。本当に真摯な方で、さすが剣道教士七段の人だと思ったのである。
そのお弟子さんたちも応援団に加わってくださったのは、鴨志田さんのおかげです。
心からご冥福をお祈りいたします。
東京高裁における判決では、全ての裁判官はその良心に従い独立してその職権を行い、この憲法および法律のみに拘束される(日本国憲法76条3項)、これを肝に銘じて6月1日、まっとうな判決をお願いしたい。なぜならば、吉備素子さん他遺族の方々が事故当時『垂直尾翼に着弾した異常外力の着力点』を知らないまま和解させられたのは、和解とは言わず、しかも和解当事者はJALではなくボーイング社(訴状に明記)だったのだから、日航とは和解したことにならぬのである。当時、日航は裁判の審議に加わらず、最終日の和解時に、突然出廷したのであって、日航は十分に審議を尽くしていない。それどころか、単なるお金を払うための窓口であったのは、過去の和解に関する裁判記録からも明白だ。
いいですか!皆さん、特にご遺族の方々は、この点について騙されないでください。
また、遺族は知る権利を有しており、私たち国民も、事故発生時に半官半民の国策会社の日本航空が起こした墜落原因について、知る権利がある。
税金を投入して作った日本航空という会社が、『今は民間だから情報を開示する必要はない』という言い訳は許されるはずがない。それにもかかわらず、その旨を判決に書いた東京地裁の裁判長は、愚かとしかいいようがない。
それとも、つい先日のNHKニュースになった空港施設会社の人事介入同様に、国土交通省の役人(OB)の横やりや、法務省の役人の介入が入ったというのならば、それこそ言語同断である。
元外務省職員で外交官だった孫崎享氏が、日刊ゲンダイの記事に『当時の防衛庁担当記者からの情報で、護衛艦まつゆきから発射したミサイルによる誤射が日航機墜落の原因である』と明確に書いている通り(記事そのものは、明らかにする会の青山透子コーナーを参照のこと)、自衛隊による誤射は今や疑いようがない。
元自衛隊員たちも、当時の上司たちによる違法な命令と不法行為を恨んでいる今こそ、全てを明らかにすることで信頼を得る方法しかない。
さらに裁判で、日本航空が「垂直尾翼に着弾した異常外力の着力点(事故調査委員会公表済みの別冊研究資料、p116参照)」を無視をして情報開示を拒んでいる理由はただ一つ、
高浜雅巳機長の関与への疑惑だ。
それを裏付けるかのように、高浜機長夫人の長年の友人の元赤旗記者、米田憲司氏による吉備素子さんへの裁判取り下げの強要と脅迫じみた突然の電話(明らかにする会HPの青山透子コーナー参照)についても、日航が指示し、関与していたとすれば、訴訟問題になる。米田氏は、あれだけ緻密な本を書いたにもかかわらず、『異常外力の着力点』を無視して、自衛隊誤射説を荒唐無稽と言い続けていた。その理由は、高浜機長の奥様をかばうため、ということになる。これは、ジャーナリストとして大失格であり、そもそも電話番号を教えていない原告の吉備さんに突然電話をかけてきて、訴訟を取り下げろと言うこと自体、僭越である。それどころか、脅迫にもあたる。
熊本の取り下げ事件と合わせて、JAL側の弁護士に詳細に伝え、裁判所にも伝えなければならない。
それは困ると言うならば、そもそも裏で、原告に圧力をかけて取り下げさせる行為をするな!関係者を脅すな!個人情報を違法手段で取り、脅かすな!
これは世間の叫び声である。マスコミを手玉に取っているから大丈夫などと思いあがるな!すでに地方紙では、『訴訟においての原告の主張は事故調査報告書別冊にある異常外力の着力点への疑問と情報開示』と書かれている。つまり、異常外力の着力点は世間に伝わっており、記事が出ているのである。大手新聞のみ書いていないだけである。
日航の取るべき道はただ一つ、遺族に対して当たり前に情報を公開することである。誤った過去を清算し、謝罪すべきなのは当然だ。一体いつまで、臭いものに蓋をし続けていくのか。そればかりか、逆に、こちら側に対して裏で圧力をかけ、裏社会同様の脅しを企て、違法な手段で遺族や関係者を妨害することは、世間が絶対に許さない。オレオレ詐欺師同様に、その実行者と首謀者が罰せられるのが当然である。秘密裏に調査した場合、個人情報保護法にも違反するため、刑事罰および民事においてもこちらは容赦はしない。
実は今、日航内部における不正行為の内部告発も届いている。その告発者のためにも、すべて証拠を取り、公に明らかにする。横やりの犯人も視野にいれる。陰の首謀者と実行者はそれを肝に銘じておくべきである。
赤坂祐二社長は、裁判に出廷もせず、世間の目をそらすために躍起になって広報活動に力を入れている。民間初の宇宙船で、作業服の腕にJALと書かれた鶴のマークをつけた人たちが、飛行高度の測定ミスと燃料切れといったおよそ航空会社では考えられないようなお粗末な初歩的ミスで宇宙船を墜落させたが、ずいぶんと想定外の広報宣伝となっただろう。JALマークの航空会社がスポンサーでありながら、燃料切れで墜落とは驚いた。
また、3月9日、自社のコンピュータの処理能力のなさや脆弱さを想定せずに、利益を優先したばかりに予約の殺到で19時間以上もホームページにアクセス出来ずにシステムダウンとなったが、コロナ禍で失った金と顧客を取り戻そうとし、強欲の成れの果てになったと世間が見ていることをご存じか。それが『JALスマイルキヤンペーン』とは聞いて呆れた。どこの誰がスマイルになったのか???
それ以前に、遺族に墜落原因の元データを開示出来ないような航空会社には、怖くて乗れない。嘘をつくような会社は話にならない。
赤坂氏は社長であればこそ、重大な問題から目を背けず、「公共交通機関としての責務とは何か」を真摯に考えてほしいと心から願う。
裁判官は、人としてなすべきことをなす、それがあたり前の姿であろう。