青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相

日航123便墜落事件の真相を追究するー歴史的裁判開始の幕開け

全く反省なきJALの失態と愚かな事実に驚いた1年ー今月も酔っ払いパイロットによる操縦

www3.nhk.or.jp読者の皆様、このニュースを見て、一体何を思われるでしょうか。

記事はこちら******

日本航空は、今月1日にパイロット2人から乗務前の検査でアルコールが検出され、乗務を予定していたオーストラリアからの帰国便の出発がおよそ3時間遅れたと発表しました。

日本航空によりますと、今月1日オーストラリアのメルボルンを出発し、成田に向かう便に乗務することになっていた59歳と56歳の男性機長2人からアルコールが検出されたということです。

この便の出発はその後の検査で2人からアルコールが検出されなくなるまで延期され、最終的に予定からおよそ3時間遅れて乗客103人に影響が出たということです。

会社は、規定で乗務の12時間前までに摂取できるアルコールの量をワインならボトル半分程度としていますが、乗務の終了後に聞き取りをしたところ、2人は前日の午後、メルボルンの飲食店でワインを3本程度飲んだと明らかにしたということです。

2人は「久しぶりに仕事が一緒になり過度に飲んでしまった」と話しているということで、会社は今後、処分を検討することにしています。

日本航空はことし4月にもアメリカからの帰国便に乗務する予定だった機長と客室乗務員らが飲酒して騒ぎ、現地の警察から口頭注意を受けたためにこの便を欠航していて、国土交通省に再発防止策を提出していました。

日本航空は「社内規定を超える量の飲酒をしていたため、本来であれば乗務させるべきではなかった。厳重注意を受けた中でこのような事態を発生させてしまい、重大に受け止めています。再発防止の徹底を図ってまいります」とコメントしています。
今回の件について国土交通省は「再発防止策が機能しているとは言えず、原因を調べたい」と話しています。

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なぜ今頃になって、今月の12月1日に飲酒事件が発生したことのニュースが出たのでしょうか。なぜ、12月10日にもなってから、日航は報道で発表したのでしょうか。

最大の理由は、12月1日では旅行の予約に影響が出るからです。いいですか、皆さん。キャンセル料が発生する時期を考えてください。今月1日にこの事件が明るみになると、旅行をJALから他社に変更される人が続出しては困る、という身勝手な企業論理からです。

参考まで 海外ツアー等のキャンセル料規定(旅行研究所)

旅行開始日の40日前~31日前
(ピーク時のみ*)
10%
旅行開始日の30日前~3日前 20%
旅行開始日の2日前~前日 50%
旅行開始日の出発時刻前 50%
旅行開始日の出発時刻後 100%

つまり、ドル箱である年末年始のお正月の予約が入りにくくならないようにする、すでに予約した客を逃がさない、キャンセルされたくない、そのための苦肉の策です。

しかし、国土交通省が毎月中旬に、今月の事故を発表するため、その前でなければならない、しかも事故調の定例記者会見で報道関係者に伝わる前には、どうしても自ら言わないわけにはいかない、だからこそ、今頃になってこっそりと発表した、ということです。公共交通機関としての使命どころか、倫理や規範意識の欠片もない、ということでしょう。

報道機関もなぜ、こんなにもJALを甘やかせているのでしょう。

JALが無料航空券をばらまいているからでしょうか。口止め料としてCF券(販売促進割引券:詳細は「疑惑のはじまり」377頁に詳しく書いていますのでそちらをご覧ください)渡しているからでしょうか。JALの味方になるように言いくるめ、○○をばらまいているからでしょうか。内部情報は山ほどあります。

誰もそんな会社にいたいと思いますか?一生懸命に働いたお金を使ってそういったことにお金を使うような会社に、誰が勤めたいと思いますか?

せいぜい、定年まで穏便に黙っていようと思っていたところ、今回は定年前の59歳、56歳が酒飲みパイロットだったという事実。不満や憂さ晴らしならば、休日にやっていただきたい。プロ失格です。

報道が甘い顔をすればするほど、こういったなめたようなパイロットが出てくるということになります。

そしていま、JALは業務改善勧告を受けている最中にもかかわらず、また同じことを繰り返しているのです。

私の新刊本の241頁に、鳥取社長が国土交通省から業務改善勧告を受けて深々と頭を下げて、通知を受け取る写真(ジャパンタイムス)を掲載しています。その姿を見てください。頭を下げれば済む話ではないのはおわかりでしょう。

それにもかかわらず、またパイロットが酒を飲みすぎて検査にひっかかり、乗客に迷惑をかけたのです!

しかも59歳と56歳、といったベテランです。後輩を指導すべき立場の人がですよ!

通常は、この酒飲みパイロットに乗務させるのではなく、代わりの乗務員をアサインするのが当然です。しかし今や、海外にスタンバイ要員がいないのが現状なのでしょうから、そうなれば米国での酒乱騒ぎの時同様に、他社便にお客様を振り分けるのが筋です。

しかし今回は、この二人のベテランパイロットのアルコールが消えるまで、なんとまあ乗客が待たせられたとは……開いた口がふさがらないとはこういうことです!

お金を払った乗客の皆さんを3時間も待たせたのですよ!

まさか、その理由を「運航乗務員の体調不良」などといった詭弁を使ったり、メンテナンスのせいにしたりしていないでしょうね???空港で使える食事券でごまかしていないでしょうね???

この便の遅延の理由について、乗客に本当の事実を伝えましたか??

当然、「酒飲みパイロットが、お酒のアルコール検査に合格するまで、酔いをさましておりますので、お待ちください」というべきでしょう。そのようにアナウンスをすべきでしょう。本当のことなのですから!

この事実を見て、この異常さを異常と思わないJALの対応にどう思いますか。バスやタクシーなどでは、当然ありえないでしょう。皆さん、飛行機は公共交通機関なのですよ。こんな態度の会社に、誰が乗りたいと思いますか?自らの手で、自らをおとしめているような会社に成り下がったのです。

この驚くべき失態に対し、いかなる理由を言おうとも、一切の言い訳は通用しません。

それにしても、もっと大々的に報道すべき内容であり、ワイドショーでも取り上げるべき事件です。しかし、報道していませんよね?

皆さん、私は古巣の失態に大変情けないという思いを通り越して、怒りしか覚えません。世間を甘く見ているとしか思えません。

業務改善勧告がまったく無視されているということになります。国交省も私たち国民も、そして世界中の乗客たちも随分と甘く見られたものです。

どこが改善しているのかわからず、現場の人間はそんなこと無視している、それがJALの実態であり、今年一年の締めくくりであったということです。誰がそれを支持しますか。誰がJALを擁護しますか。するのは金銭関係にある利害関係者だけでしょう。

 

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今年の正月は、1月2日に羽田空港衝突大炎上事故で幕が開け、海保機の方々がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

しかし、あの時の報道は、まるでJALは悪くないことを強調するものばかりでした。そういった偏った報道に加えて、いつのまにか客室乗務員の手柄報道となり、さらにこぞってJALOBのパイロットが出てきて、JALをかばい、必要以上に守り、擁護しました。

いくら元社員であったからといってもやりすぎです。逆に、JALからの依頼と要望を飲み、専門家を笠に着て、解説の内容がおかしな方向に傾いていきました。客観性がゼロで事実を無視した解説はメディアを使った情報操作そのものでした。

その詳細については、新刊本の「日航123便墜落事件ー隠された遺体」の第三章『検証・羽田空港・地上衝突大炎上事故報道』に詳しく書いていますので、どうぞそちらを熟読してください。

さらに、あの時の大きな違和感の一つは、客室乗務員をいきなり賞賛し始めたことでした。恐らくJAL広報が依頼したPR会社が、よくわからずにネットや報道をしたのでしょう。素人が考えそうな内容でした。

つまり、ジャンボ機導入の時代から客室訓練を重ねた私たちが当たり前に知っていたことは、「90秒あればジャンボ機から全員が脱出可能」であるという事実です。

それに比べ、羽田空港大炎上事故では、あの報道で見た火の手が上がる前に、実は機体の反対側は全く燃えておらず、さらに脱出時間が「18分」もあったことが、NHK等の検証で明らかになりました。

ジャンボ機の乗客乗員520名ほどが90秒で脱出する訓練を受けていた私たちにとって、羽田空港大炎上事故の場合は十分な時間があり、しかも18分も余裕があったこと、さらに乗客数が367名であった事実を考えれば、いまさら、JALCAの手柄ということは絶対にありえません。

ありえないことを平気で流す無知な報道やネットコメント、素人のユーチューバ―を見ても、何も知らない知識のない人によるフェイクであり、何もわからずにJALの評判を上げるように金で請け負った人やPR会社に任せたからだと、すぐにわかりました。数字はごまかせません。すべての主張は覆ります。

また、JAL事故機のノーズギアが折れて機体の位置が下がり、脱出シュートも低い位置でした。乗客の証言では歩けるほどであったのだから、ジャンボジェット機のようなスライドの急こう配でもなく、ビルの四階ほどの高さからの滑走でもなく、羽田炎上事故機の脱出スライドを乗客たちが歩いて降りる写真も出てきました。

従って、あのような「手柄報道」や、鳥取社長(この人は客室乗務員ですよ)による発言はありえず、知っていながら知らんふりをして世間をだます目的で「CAたちをほめてあげたい」というお手盛りの賛美をした、自画自賛だと言われても仕方がありません。

まさか、東亜国内航空にはジャンボ機がなかったからわからなかった、なんて言い出すのでしょうか。そんなことでは済まされません。今はJALの社長なのですから、知識として当然知っていたはずでCAならば誰もが知る事実です。それでもなお、あえて賛美したことになります。

この人は経営者として客観的な判断にもとづく経営が出来るのでしょうか。

大きな疑問を世間に投げかけた一幕でした。

次に、JAL事故機が最新鋭機であったという点です。

それを忘れてしまったOBによるコメントも異常に多発していました。

あの最新鋭機は、40秒あれば、「ゴーアラウンドが可能であった」という事実を無視した報道でした。

さらにまた、ヘッドアップディスプレイで見えにくいという発言もありましたが、見えやすいための工夫がどれほどされているのかを調査した結果を新刊本の第三章に書いていますのでそちらをじっくりとお読みください。

離着陸の順番を言う言葉である管制官の「No1」という発言が悪かったという報道もありましたが、パイロットたちはそれに異議を唱えました。つまり、誰もそんな素人のような思い違いはしない、という結論に達し、その後の検証の結果、立ち消えとなって、現在は「No1」という言葉が復活しています。

それも皆さん、ご存じでしょうか。

さらに事故調査検討委員会(国土交通省)に提出された議事録には、JAL機に対して「離陸の飛行機があります」という羽田管制の管制官の発言が録音されており、文字でも記録されていました。

つまり、離陸の飛行機(海保機)が、JAL機の着陸態勢に入る前にいることを、JALのパイロットたち3名は十分わかっていたことになります。

ただ、その管制官の発言に対してJAL機のパイロットは何ら返事をしていません。

私はここに問題の所在があると思っています。従って、JALパイロット3名の前方不注意があったことは否めないと考えます。ボイスレコーダーも明らかにするのが当然です。しかし、いまだにこの事件の報道がない、事故調もボイスレコーダーを公表しない、これも世界的に見て異常な状況です。「ハドソン川の奇跡」の実話映画のように、公聴会で200名以上の国会議員、報道、組合、当事者等でヘッドフォンでボイスレコーダーを聴くという場は、この日本でどこにもありません。民主主義国家とは到底思えないような閉鎖的なこの国の事故調に、誰が信頼などできるでしょうか。武田委員長のお給料は税金です。何のための誰のための事故調査ですか?

さて、今年出した新刊本の234頁から235頁まで、JALが起こした数々の誤進入、CAとパイロットが米国の滞在ホテルで大酒飲んで米国警察からの注意を受けたという事実、米国の空港で相手の飛行機にゴーアラウンドさせたという事件等を書いています。一覧表にしていますので、それもあわせてじっくり見て下さい。

いずれも、報道がJALを甘やかせてきた結果だと思います。

今月発生の事実を見てもなお、パイロットの飲酒運転が後を絶たないことを見ても、全く業務を改善せず、真摯に受け止めていないという実態が浮き彫りになりました。

鳥取社長、頭を下げて命令書を受け取った貴女は、一体何をしてきたのでしょうか。

事故について、何をどう思って日々過ごしておられるのでしょうか。

いくつかの予兆があり、積み重なり、その結果大事故につながる。

日本航空という会社は、公共交通機関としての使命を一体どこに捨てたのでしょうか。

くだらない隠蔽にお金を使うのではなく、本質的なことに目を向け、根本的な原因を深く掘り下げて、自らの汚点を自ら反省し、なぜこういうことを繰り返すのかを検証しない限り、また同じ失敗を繰り返すようになることをこの飲酒事件が証明しています。

 

今年もあとわずかとなりました。

昨日のノーベル平和賞受賞は、原爆の被爆者の方々による活動が評価され、日本原水爆被害者団体協議会の皆さんによる心にしみるスピーチが、世界中を静かに感動させました。リアリティを持ち、苦悩と苦渋の日々を体験した人々に寄り添う気持ちが未来を創る、そう思いました。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

青山透子

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管理人です。「墜落の波紋ーそして法廷へ」が文庫となりました!

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