青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相

日航123便墜落事件の真相を追究するー歴史的裁判開始の幕開け

日航516便炎上の偏向報道についての考察

偏向報道の背景にあるのは日航による最高裁へのアピール

 

現在、最高裁にて「日航123便ボイスレコーダー等情報開示裁判」が審理中である。

その最中での追突事故である。だからこそ、JALは必死にマスコミを自分たちに有利になるように利用した。

昨年12月、国土交通省日航の整備部門の子会社に対し、手順通りの整備をせずに、整備不良のまま飛ばしたとして業務改善勧告を出した。その報道もテレビはNHKだけであった。特に問題だったのは、その責任者が整備のファイルデータを破棄し、紙の記録も個人ロッカーに隠したことであるが、こんな重大なことも民放ではテレビで報道しなかった。

そして翌月の1月2日、羽田空港日航機が炎上して大破した。

結果論として無事に脱出できたからよかったものの、けが人は14名もいる。乗客がその時味わった恐怖心はいつまでも消えることはなく、一生心に残る。特に子供は恐怖がトラウマとなる。あの時、誰もが冷静で落ち着いていたわけではない。機内では泣き叫ぶ声やわめく子供たちも多く、腰を抜かした乗客も多数いた。アナウンスもなく、客室乗務員から離れた席では、何の指示も説明もないまま、煙が入ってくる恐怖を味わった。これでもう人生最後かと覚悟するほどの死ぬような思いをしたのである。

それを無視するかのように、日航側の意をくんだ報道は、日航OBまで出演させて、積極的に日航の手柄を広めた。

それは、まるで「乗客は私たちが無事に脱出させてあげた」と言わんばかりであった。お金を払って乗っていた乗客に対し、恐怖心を味わわせたことも配慮せず、命が助かったのはJALのCAが優れていたおかげである、そんな報道であった。OGも自分たちの訓練の成果を自画自賛した。これは、お客様の気持ちを逆なでするようなものである。

公共の乗り物である飛行機は、到着地に乗客を連れていく契約してお客様にお金を払ってもらう。無事に到着して当たり前である。しかし、火災を起こし、緊急脱出させ、荷物の消失や愛するペットを焼死させられたのである。明らかな契約違反である。

原因がまだわかっていない段階にもかかわらず、海保機の機長の発言は、どんどんかき消されていった。日航がもしも逆の立場であったらどうするのか。

報道では、日航への批判はゼロであった。もっぱら管制官、海保機が悪者だった。

そして、3名のJALパイロットが見逃したビーコンライト(衝突防止の白色閃光)も無視し、JAL御用達シュミレーションで暗がりを強調した。元管制官のにわか解説や日航OBの解説が次々と出てきて、あっという間に日航の美談を広めた。まるで日航は悪くない、パイロットたちの落ち度はゼロだといわんばかりであった。気持ちが悪くなるほどの偏向報道であった。

その結果、世界中の夜間飛行がいかに危険かがわかった。パイロットは目が悪いのか、見えないらしい、こういう乗り物はやめておこう、と誰もが思う報道だった。

特に夜は、乗ってはいけない乗り物だと印象付けたのである。

新聞報道や週刊誌も含めて、各社が同じ方向を向いたこれらの報道を見るに、日本人は違う角度からものを見ることが出来ないのかと思った。

こうやって、誰も何も言わないままで印象操作がされていくのであれば、真の事故原因はわからなくなる。日航123便と同様だ。そして、まるで戦争へ向かった時の日本人そのものだ。

ボイスレコーダーの解析結果もとっくに出ているはずなのに、事故調の発表もない。このまま、こっそりと終わらせるつもりなのだろうか。なんと恐ろしい国なのだろう。

 

私は昔ながらの「スチュワーデス」と呼ぶ時代に訓練を受け、日航の古き良き時代にフライトで楽しい日々を過ごした世代である。結婚退職後もチーフパーサーに声をかけていただき、訓練所のノウハウをマニュアルにして、他企業の社員教育をする子会社設立に参画した。だから会社になんの恨みもない。客室訓練への誇りと自信があった。だからこそ、逆に襟を正すべき時は正さなければならないのである。それを怠って自画自賛に走り、身内びいきをすれば、必ず何かを見落とす。そして事故が起きる。それが航空会社の宿命である。

1985年は、日本航空が世界No1のサービス、売り上げNo1と、世界中からもてはやされたときである。社内は誰もが有頂天であった。

そして日航123便墜落事件が起こった。乗務していたのは、私に手取り足取り教えて下さった同じグループの先輩方だった。

この墜落事件は、二度と起こさない、起こしてはならない惨劇であった。ただ、誰もが何も考えずに私も含めて後部圧力隔壁が原因だと信じ込んでいた。

それから長い年月を経て、日航123便のご遺族の吉備素子さんの苦悩を知ったのは今から15年前である。

吉備さんの体験談をお聞きして驚いた私は、吉備さんの苦悩が少しでも消えることを願い、一歩ずつ一緒に歩いてきた。

過去、誰も彼女のいうことを記事にしなかった。当時のマスコミ関係者は、隠蔽に加担し、それがまるで「良い子」の作法であるがごとく無視を続けていた。

私は吉備さんに墜落原因の解明を誓い、二人であらゆることを考え、日航とマスコミ関係者による口封じの暴力に嫌気がさしながらも、ようやく裁判にまでたどり着いた。その過程は茨の道であり、少ない情報を手繰りながら公文書を解読し、味方になって下さる方々に支えていただいた。一体、どれだけの長い時間を費やしたのか……。

その間、日航社員たち、元社員たちの中で会社に迎合した人間は攻撃ばかりしてきた。そしてマスコミを操り、得意になっていた。

この人たちが作っている会社、その経営者たちって、一体なんだろうと思った。

 

この日航516便は300人以上の命がかかっていた。

それを美談にしていいのですか?日航パイロットの免罪符ばかりを強調していいのですか?特に事故の報道は客観的で公平でなければならない。それを誰も指摘しない、出来ないマスコミ報道は一体なんなのか。まるで戦時中の「大本営発表」を自ら志願してやっているに過ぎないのではないだろうか。

 

私の知識も過去の知識であって十分古い。最新鋭機など乗ったことも訓練を受けたこともないし、詳細はわからない。

ただし、自分の知識の範囲で緊急脱出に関しては古いも新しいもなく、ジャンボ機の540人を90秒で脱出する訓練は40年以上前から世界中の航空会社が行っていた。特別にJALだけが優れていたわけではない。これは伝えなければならない。

ほかにも、このブログで私が指摘した数々の問題点は、当然マスコミが気付くべきことである。しかし、誰も気づかなかった。気づいたとしてもそれをあえて報道しなかったのか?

もう一度書く。

日航側が必死に自分たちの落ち度がないことを強調し、最高裁の裁判官へのアピールとして、からめ手でマスコミを利用したのだ。

これはあってはならないということである。

それに日航OBが知らないうちに利用されてはならない。

なぜならば、私たちOBやOGが客観的でなければ、この日航という会社は、いずれまた大事故を引き起こしかねないからである。マスコミを利用してカモフラージュすることで、社内での緊張感が失せていく。こんなことを繰り返してばかりいては、抜本的な改革は無理である。業務改善勧告に言い訳するような社風であり、誰もが意見を言いにくい会社となっている。

物事には予兆があり、その結果は悲惨なものになる。それは絶対にあってはならないのである。

 

応援していただいているOB,OG,ご尊敬申し上げる元機長の皆様に心から感謝いたします。

古い知識や経験談といった私のブログの表現にカチンとこられた方々もおられるでしょうが、無礼のほど、何卒お許しくださいませ。

私が最も言いたかったことをどうぞ理解下さい。

日航の良き時代から日航123便墜落事件を経験した私たちがすべき役目は、今のJALにお灸をすえることであり、愚行をかばうことではないと考えています。

日航は、「裁判所は言いなりだ、自分たちでどうにでもなるから勝った、吉備さんは負けた、ザマーミロ」となめており、世間に伝わらなければそれでいいと、業務改善勧告をもおろそかにする風潮のため、少々きつい表現となっております。

何卒ご理解ください。

私も古い人間ですが、批判的精神を持つことで新しい発見や改善点が見えてくるのです。

そして、マスコミの皆さんも自己を顧みて報道の在り方を抜本的に見直すことが不可欠なのではないでしょうか?