青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相

日航123便墜落事件の真相を追究するー歴史的裁判開始の幕開け

私たちの「知る権利」を問う裁判ー遺物は真相を語る

管理人です。

日航123便墜落ー遺物は真相を語る」の文庫化が決定しましたのでお伝えします。上野村山中に放置されていた機体残骸物質は、何を私たちに語り掛けているのでしょうか。その遺物が語る声を真摯に聞くことで、真相が明らかになります。ぜひお読みください。

*******

最終口頭弁論期日を前にして 知る権利の在り方を問う 青山透子

4月11日(火曜日)16時~東京高裁にて口頭弁論が行われます。

墜落から4か月もの長い間、遺体安置所にてご主人のご遺体を探し求めていた吉備さんが、520人のご遺体の声なき声を代弁するのがこの裁判です。それを妨害する権利は誰にもありません。ましてや、誰もがもっている「知る権利」を問う裁判です。

ここは日本です。どこかの国ではないはずです。裁判は歪んだ内部の論理ではなく、世間一般の論理で当たり前にきちんとした法廷の場であってほしいと心から願います。

 

私が「遺物は真相を語る」を書いた2018年当時は、まだ裁判への道を模索している途中でした。

墜落機の残骸を大学の研究機関で分析してもらった時の衝撃は忘れられません。ジェット燃料や積み荷にもない武器燃料の成分が検出されたからです。これは偽りのない事実です。さらにクロロフォルムも含まれていました。私はそれを聞いて卒倒しそうになったのを覚えています。

なぜその物質が検出されたのか。墜落現場で誰が何に使ったのか。

さらにこの本の取材で、遺体安置所に4か月もの長い期間身元確認に携わった歯科医師の福子先生へのインタビューでも、大きな衝撃を受けました。

高浜機長の制服が一ミリも出てこなかった、という事実です。

隣の席の佐々木副操縦士や福田航空機関士の制服は全くそのままでした。しかし、高浜さんの制服は全く見当たらなかった、おまけに狭いコックピット内の二人の遺体は完全に近い状態でしたが、高浜さんのみ顎の一部しかなく、異様であったと語ってくれました。

遺体安置所で、高浜さんの制服を脱がせて隠すことが出来る場はなく、警察官や医師たちは、自衛隊のヘリコプターから運ばれてきたご遺体、遺物などをその場でシーツを広げて見る、というような扱いだったため、もしも制服が無くなるとすれば、山から降ろしてくる自衛隊のヘリコプターの中しかないと、医師たちは断言しました。

一体彼ら(自衛隊)は何を恐れて高浜機長の制服をはぎ取ったのか。

なぜ高浜さんのご遺体を損傷させたのか、これは当時の警察官や医師たちの誰もが疑問に思い、心の中に刺さったとげのような出来事だった、とのことでした。

 

「遺物は真相を語る」を書く前、私はこの日航123便を独自に調べている元自衛官たちと会いました。事件発生時に直接関係はないものの、あの頃の彼らは精鋭部隊の人間でした。

その彼らのプライドを踏みにじるがごとく、当時の上官たちは、一晩中不明の言い訳として、「上野村は山奥で険しく、夜は見えないのでヘリから降りれない」とか、「夜間は難しいので訓練はしていない」、「地上からも山が立ちはだかって歩けないのでどこかわからなかった」等々、テレビ、雑誌、新聞などで語りました。本当に腹が立ったそうです。なぜならば、彼らは夜間訓練も含め、何でも出来る厳しい訓練を受けていたからです。ただ、当時はまだ自衛隊は災害救助をメインにはしていませんでしたので人命救助の訓練ではなく、戦闘訓練でした。

私が彼らに、ご遺体の凄惨な状況を話すと、彼らは火炎放射器の使用を確信しました。そして相馬が原の部隊にそれがあると調べてくれて、部隊にいた人たちに聞きに行ったとたん、口止めされた、とまで報告を受けました。

その様子と彼らが言った言葉を「遺物は真相に語る」に書きました。

その一つが「上官の犯罪の命令にも従わなければならないのか」という疑問の言葉でした。

それを聞いて私は驚き、「自衛官の前に人間として、当たり前に、やってはいけないことがあるでしょう。犯罪の命令などありえない」と言ったところ、服務規程には「上官の命令に服従する義務しか書いていない」というのです。

そこで私は、ドイツの法律を調べましたところ、ドイツではきちんと次の法律があることがわかりました。

ドイツでは、軍人法に「兵士は、人間の尊厳を侵す犯罪行為を命令した上司の命令には従ってはならない」とありました。(詳細は、「遺物は真相を語る」に明記)

しかし、日本の自衛隊関連の法に、その一文はないのです。

これは、国会議員の皆さんに言いたいのですが、党派の問題でも憲法改正の問題でもなく、それ以前に、日本全体の国防に係る由々しき問題です。

他国での戦争も見てもわかるように、防衛費を増やすことよりも先に、日本の自衛隊の服務規程の見直しを考えることが重要だと思います。あくまでもこれは憲法改正云々ではなく、単なる服務規程の問題です。そして、人間性の問題です。直ぐにできるはずです。

自衛官も言っていましたが、誰もが国のために頑張ろうと思っても、上記のような犯罪行為の場合の規定がないというのは問題だ、とのことでした。さらに、

「誤って罪を犯した人間を当たりまえに罰してくれなければ、また次の犯罪を呼び起こしてしまう。調子にのって犯罪を犯す自衛隊員も出てくる。いつも国がもみ消してくれると思えば、さらに加速する。

私たちも同じ人間であればこそ、罪をつぐなう機会が不可欠である。自衛隊員だからこそ、率先して謝罪するチャンスをいただきたい。その機会を奪ってほしくない。犯罪にも加担したくない」

こういう彼らの声を、司法に携わる皆さんは聞くべきであると思います。

そして国会議員の皆さんは、ぜひ超党派で問題を解決していただきたいと思います。

世論を気にするあまり、罪をもみ消すことばかりに目が向き、不起訴連発や、自衛隊員だから許すというのでは、真の国民の信頼は得られません。彼らが信頼を得るためにも、私たちが安心するためにも、違法な行為は罪であることを認識しなければなりません。

法整備は大変重要です。皆さんの声をそれぞれの場に届けましょう。

皆さん、国民の力で、そして超党派で、この問題を取り上げましょう。