青山透子公式サイト 日航123便墜落の真相

日航123便墜落事件の真相を追究するー歴史的裁判開始の幕開け

桜の多様性からみるイギリスと日本の違い

🌸🌸サクラのお話

今年の桜は、日本列島を例年にないほど、最も早く駆け上がっているそうだ。現在北上中の桜は、まだ私の住む街には来ていない。

海外に滞在していた家族がコロナ禍で帰国し、私も含めてリモートでの仕事が主流となった今、職種によっては、行こうと思えば、どこにでも住める時代となった。これはある意味で画期的な社会変化である。そこで今こそ、気になっていた場所に住もうと決心をして、北の大地に家族と一緒に移住中なのである。さて、そろそろ来る桜の訪れを楽しみにしている。

2019年4月、「そして法廷へ」を書いたあの時行ったイギリスの桜は満開で、色も花びらも実に多様だった。灰桜、桃色、甚三紅といった日本の伝統色をまとい、あでやかな桜が、農村の風景を彩っていた。様々な種類が入り混じったイギリスの桜は、イギリス人園芸家が明治から大正時代に持ち帰ったものがルーツとなっている。日本の多様な桜が失われないように、貴重な桜の品種を守り続けたイギリス人がいたのである。そして今、イギリスの桜は、日本のように一斉に咲いて、一斉に散るクローン桜ではないので、開花時期も異なり、ずいぶんと長い間楽しめる。そのうえ、山桜のように長寿であり、強くたくましく咲き続けているのである。そのイギリスの桜の様子は、ぜひ拙著「墜落の波紋~そして法廷へ」をお読みいただきたい。

残念ながら、本家の日本の桜は、そのほとんどがクローン桜で、ソメイヨシノである。この一辺倒は、一気に劣化時期に入り、一斉にそろそろ植え替えなければならないそうである。

これを社会的環境から見てみると、多様性に富んだ社会は、豊かな発想を生み、それが開花する時期も成就する時期もバラバラで持続可能性がある。しかし、狭い社会での限られた人間関係から生まれる発想は、、とかく単純で同一的な考えになりがちとなり、そのうち自分の意思を押し殺し、皆に歩調を合わせるうちに、己の意見を言えなくなり、同じ方向を向いてしまう。楽な反面、それは忖度を超えて、いつのまにか人生にとって最大の障害となり、豊かな人生ではなくなる。その結果、まるでソメイヨシノのクローンのごとく、同時期に一斉に社会そのものが滅びてしまうのである。

だからこそ、自分を違う風景の中に身を置くことは重要であり、脳細胞も活性化する。人生に彩りをもたらす移住はなかなか素晴らしい。

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さて、第二回目の東京高裁での口頭弁論期日もあと一週間に迫った。

前回、「もうこれ以上必要ないでしょ」と吉備さんにいった裁判長の言葉は、38年間も墜落原因が不明のままで放置されてきた遺族の心に重いクサビを打ち込んだ。裁判所という狭い組織の中で、同じ方向を向くように仕向けられた、頭の良い人たちによる画一的発想によるものだろう。

しかし、一体なぜ、何が必要ないのか。何が不要なのか。何も解明されていない事実をどうとらえているのだろうか。答えてほしい。

先日のWBCが人々を魅了したのは、野球ファンだけではない。この私もめったに見ない野球に夢中になった。それは、有名で優れた選手たちの活躍のみならずそれを支えている人々、そして当たり前だが、公平な審判があってこそである。今、日航123便の裁判は、公平といえるのだろうか。最初から結論ありきの不公平な審判のようである。このような状況では、国民の信頼を得られずに、いずれこの国は滅びてしまう。

大前提として、航空会社は、乗客の命を預かる仕事である。その命を失わせた原因を究明せず、自ら律することなく、自社の汚点も失態も他者のせいにするような会社はいずれ滅びてしまうのである。

そうならないようにするには、自らを省みるしかない。それが全くない会社であることが、次々と明らかになったのがこの裁判である。

親代わりの国が助けてくれることに甘んじているJALや、その陰に見え隠れする防衛省国土交通省の官僚たちが、自分の居場所と組織を守ることを優先すべきではない。命の問題よりも組織の都合を優先する判決であってはならない。

裁判において「異常外力の着力点」が根本的原因であることを日航は認めて争わないとした。その結果、520人を墜落死させた当て逃げの犯人が存在することが明らかになった。殺人に時効はなく、その犯人をかばうJALは、かばい続ける限り、公共交通機関とは言えない。その責任をとらせない裁判所は、信用に値しないと言われても過言ではない。

これは当たり前のことであって、社会的秩序がこちら側にあることは明確であろう。当て逃げ犯という反社会的勢力同様の人間の片棒を担いでいるのがJALとなる。罪はいかなる理由があろうとも、罪である。往生際が悪すぎる。

その先送りがもう許されないことを、赤坂社長も悟らなければならない。子供じみたことは止めて、いい加減、成長していただきたい。

4月3日は入社式、一生懸命に紙の飛行機を飛ばした新入社員の皆さん、希望溢れる日であるからこそ、あなたたちの先輩方のみならず、乗客を幾人も墜落死させてしまっている会社であることは、きちんと正面から認識しなければならない。

社員となった以上、客観性を磨いてほしい。他人の言いなりの人間ばかりの会社はいずれ滅びる。乗客の安全を守ると口で言うのは簡単であるが、あの日航123便の真実を知り、先輩方の無念を感じてこそ本物の社員となれる。