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今月、日本航空のパイロット2人から乗務前の検査でアルコールが検出され、オーストラリアからの帰国便の出発が遅れた問題で、国土交通省は2人が過度な飲酒をしたうえ、口裏合わせをして隠蔽したことが確認されたなどとして業務改善勧告を出しました。
日本航空によりますと、今月1日にオーストラリアのメルボルン発、成田行きの便に乗務予定だった59歳と56歳の男性機長2人から乗務前の検査でアルコールが検出され、出発が3時間遅れて乗客103人に影響が出ました。
これを受けて国土交通省が立ち入り検査を行ったところ、規程では勤務開始の12時間前までに摂取できるアルコールの量をグラス4杯程度と知りながら、スパークリングワインのグラス1杯ずつと赤ワインのボトル3本を注文して飲んでいたうえ、2人で口裏合わせをして飲んだのは赤ワインのボトル1本だと、うその説明をしていたことがわかったということです。
さらに、今月20日には勤務日を間違えて飛行機の出発が遅れそうになったパイロットに対し、運航本部が乗務前のアルコール検査を出勤途中の車の中で行うよう指示していたこともわかったということです。
こうしたことから国土交通省は27日、悪質な違反行為が認められたなどとして日本航空に対し業務改善勧告を出しました。
来月24日までに再発防止策を提出するよう求めています。
日本航空によりますと、今月、飲酒した機長2人を解雇処分にしたということです。
日本航空は「5月に厳重注意を受け、わずか半年後に、再び、アルコールに関わる不適切な事案を発生させ、お客様の信頼を損ねてしまったことを極めて重く受け止め、再発防止を図って参ります」とコメントしています。
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前回、ブログにて皆さんにお伝えしたことをさらに上回る報道である。
この二人のパイロットは、ダブルキャプテン、つまりどちらもキャプテンなのである。そしてどちらかが、副操縦士の代わりをするのだ。通常、同じ飛行機には、機長と副操縦士が乗務するが、時々スケジュールの関係でダブルキャプテン、となる場合がある。その場合、キャプテンが二人なのだから、より一層、安全に資する、のが常だ。
(これは航空会社の常識)。ところが、このJALの二人の場合、より一層安全どころか機長の二人が自ら多大なご迷惑を乗客の皆さんにかけただけではなく、その報告も口裏を合わせていたという。
朝日新聞に詳細に掲載
www.asahi.com昨年からずっと続いている業務改善勧告はさらにバージョンアップしているのである。
この日本航空という会社は、いったい何度業務改善勧告を受ければ気が済むのか。お客様をなめている。世間をなめ切っている。言語道断である。
国土交通省では次のように伝えている。(以下国土交通省HPより)
本年12月1日(現地時間)の日本航空774便(メルボルン→成田)の機長及び副機長が乗務前日に過度な飲酒を行い、当該便が遅延した旨、12月6日夜に報告がありました。
航空法(以下「法」という。)に基づき、12月17日及び18日に立入検査等を実施した結果、当該機長及び副機長が意図的に過度な飲酒をし、口裏合わせをして隠ぺいしていたことに加え、同社において、アルコール検査が適切に実施されず、また、本年5月の厳重注意を受けた再発防止策等が十分に機能していなかったこと等が確認されました。
このため、国土交通省航空局は、本日付で、同社に対して別添のとおり業務改善勧告を行い、再発防止策を検討の上、令和7年1月24日までに再発防止策を報告するよう指示しましたのでお知らせします。
(確認された事実の概要)
○ 機長及び副機長が、法に基づき認可を受けた運航規程に定める飲酒量の制限を認識しながら乗務前日に過度な飲酒を行った。また、両者間で口裏合わせをし、12月3日夕刻に過度な飲酒を認めるまで、両者は虚偽の説明を行った。
○ 同社の運航規程に基づく乗務前アルコール検査は、出発前ブリーフィングに先立ち、編成乗員が一緒に実施することとしていたが、機長と副操縦士が乗務前アルコール検査を実施し出発前ブリーフィングを開始後も、副機長はアルコールが検知されなくなるまで自主的な検査を継続し、乗務前アルコール検査を実施しなかった。また、当該自主的な検査には空港所担当者が立ち会っていたが、同社の運航本部の担当部署に詳細な情報が伝達されず、当該担当部署は誤検知と判断し、運航乗務員の交代等の必要な措置がとられなかった。
○ 本年12月20日の日本航空58便(成田→サンフランシスコ)の副操縦士に対する乗務前アルコール検査を、本来は出頭後に行うべきところ、遅延の影響を少なくするために同社の運航本部の担当部署の指示により出頭前に行っていた(アルコール検知はなし)。
○ 本年5月の厳重注意を受けた再発防止策が十分に機能していたとは言えず、これらの事案の発生に至った。また、日本航空774便の副機長は、過去にアルコール検知事案を発生させていたが、懸念のある運航乗務員に対する管理が十分でなかった。
(業務改善勧告の内容)
○ 飲酒対策を含む安全確保に関する社内意識改革
○ 運航乗務員の飲酒傾向の管理の更なる強化
○ アルコール検査体制の再構築
○ 厳重注意を受けた再発防止策の定着状況の継続的な確認を含む安全管理体制の再構築
国土交通省航空局は、同社において再発防止が確実に図られ、安全運航のための体制が維持されるよう、引き続き指導監督を行ってまいります。
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日航123便以降、特に倒産以降、経営者たちは次々とマスコミ対策ばかりしてきた。中身がなく、そうやって甘やかしてきた結果、こんな体たらくの会社になってしまったのであり、上に立つ人間の指導力のなさであり、隠し通すことにも慣れ切った隠蔽体質である。
私は、この古巣の非常識さとレベルの低さに、非常に不快感を持つ。当然、乗客もお金を払って乗る気分にもならないだろう。
26日は、JALの予約等がシステムダウンしたことで、乗客たちはさらに迷惑をこうむったのだが、聞くところによれば、調査の結果、一般的なDDoS攻撃はホームページをダウンさせることが多いが、今回はサイトではなくシステムに通信の負荷がかかっており、通常の攻撃とは異なる、という報道がされており、JALのシステムも人もボロだと言われてもしかたがあるまい。実に情けない限りである。
そして今度は、裏で、陰で、意図的に、不都合な人物に対して嫌がらせをする会社に成り下がっていく。あらゆることの魂胆は見え見えである。
蛇年の来年は、そんな魂胆をJAL自ら藪をつついて蛇を出す年になるだろう。そして、出てきた悪意の蛇を不動明王が頭を引っ張り出してぶっ潰す、その結果、悪を焼き尽くす、そういう年になりそうですね。とても楽しみです。
読者の皆様、どうぞ良いお年を!
成田山新勝寺にて