権力にすり寄った朝日新聞の恣意的ファクトチェックへの抗議文
世界的基準として、ファクトチェックと呼ばれるものの第一番目に、必ず次の項目がある。朝日新聞のファクトチェックは、その一番大切なことを無視している。
ファクトチェック国際基準が最も重視する点は次のことだ。
非党派性と公正性
片方の側や特定の政策的立場に立ったファクトチェックではなく、全ての検証を同じ基準で実施する。
朝日新聞の日航123便に関するファクトチェックは、権力側の人間の言葉のみを取り上げ、自衛隊誤射に否定的な人物へのインタビューのみを掲載し、中谷防衛大臣の言葉が正しいとし、それぞれ否定しなければ自分が責任を問わされる人たちへのインタビューだけを取り上げている。意見と事実を混同し、客観的証拠と反証もしないまま、その結果『誤り』とした。
ファクトチェックをする大前提とは、まずいったんゼロにもどし、そこからあらゆる可能性を検証し、否定や肯定の双方の科学的証拠を元に検証した結果を出すものだ。
そのどれをとっても、朝日新聞の8月11日付のファクトチェックは違反している。
意図的な魂胆が見え見えであるこのチェックをした人物、掲載した人間、許可を出した人間を特定し、ジャーナリズム精神が欠落した行為として徹底的に追及する。
朝日新聞のファクトチェック【日航機墜落「自衛隊ミサイル誤射説」
裁判記録甲1号証から甲57号証まですべてを読んだのか否か。
1985年8月12日からの新聞記事全てを読んだのか。
日米公文書を読んだのか。
燃料関係の論文をすべて読んだのか。
事故調査別冊を読んだのか。
異常外力着力点をなぜ避けたのか。
特に悪質なのは、元事故調査委員が権力と立場をかさに着て、自身の言動と違うことを述べたからである。
原告遺族、吉備素子氏からの言葉をここに提示する。**********
ファクトチェックで言及している2011年7月に公表された「解説」には、相模湾からの引き上げが超高額で機体残骸を捜索するのは深くて困難だったと書かれています。しかしその後、2015年8月12日に民間企業が一千万円ほどで航路下の相模湾から水深160メートルの地点で機体残骸を発見しました。(朝日ANNニュース)。それに対して、このニュース報道の中で、「元事故調査委員の斎藤孝一氏は、『こういう残骸をさらに分析することで事故の詳細が明らかになる(原文ママ)』とコメントをしています。ところが自らの発言は、このファクトチェックには全く書かれていません。
それどころか、このニュース報道以降、貴方は公僕でありながら権力側にすり寄る発言に変化しています。これは一体どういうことでしょうか。元事故調査委員としての信念がまるでないと思われます。
更に、事故調査報告書では、たった一本のこの木(警察資料写真)に衝突して、最強のジャンボ機エンジン一基が、木っ端みじんとなったという(事故調査報告書・第四エンジンのバラバラ状況図)非科学的な論証を繰り返してきたことにも触れていません。
事故調は国民の税金で調査しておきながら、それにも一切触れていません。
齋藤氏は、2013年に国土交通省がホームページで公開した別冊資料「航空事故調査報告書付録―JA8119に関する試験研究資料」についても触れていません。
これは、遺族には一切説明がなかった新たな証拠です。事故調査委員であれば、世界中の誰に聞いても再調査すべきことです。
しかも垂直尾翼に着力した「異常外力着力点」は、11トンの外力で垂直尾翼を破壊した計算式が書いてあり、それについても貴方は触れていません。
しかも、当会では、外力は炸薬無しの模擬飛行機か模擬標的機と仮説を立てているにもかかわらず、これも無視して発言しています。一体何を読んで、どちらを向いて仕事をしてきたのでしょうか。貴方の発言には大きな疑問を持たざるを得ません。
私の情報開示裁判の証拠記録は全て読んだうえで発言をしたのでしょうか。そうでなければ、元事故調査委員という立場を利用して、事実関係もわからないままに裁判記録も見ずに発言を繰り返していることになります。権力を笠にきた発言は言語道断です。
40年も経っていながら、相模湾に機体残骸を放置し続ける理由を述べなさい。
日本の事故調は再調査もできないのでしょうか。
何処の国に、相模湾に機体残骸を沈めたまま引き上げもせずに、各国の法廷で当たり前に公開されているボイスレコーダーを40年経っても公開しない国がありましょうか。どこが民主主義国家と言えるのでしょうか。520人の命を何だと思っているのでしょうか。それを追及し調査をするのがあなたの役割ではないですか。
朝日新聞は、私たちの客観的証拠や情報開示裁判で提示した数々の矛盾や疑問を簡単に切り捨て、さも当方がフェイクである印象を与えるためだけの印象操作を行っています。そして、当方が「誤り」であると断罪しました。
これは明らかに取材をせずに書いたものであり、不公平、不正確、人権侵害です。このような記事がしかも朝日新聞で掲載したということは、由々しき事態と思っています。
この朝日新聞のファクトチェック記事は、不十分な取材どころか、私ら墜落原因に疑問を持って40年も生きてきた遺族の気持ちを踏みにじるものです。さらに、新聞という武器で遺族を黙らせるためのメディアの権力を振りかざした記事です。こんなことが許されるとお思いでしょうか。
私が会長を務める「日航123便墜落の真相を明らかにする会」の一般市民の会員たちに対しても私らの権利を封印するための圧力です。
日本新聞協会の新聞倫理網領の「正確と公正」、「人権の尊重」に照らし合わせてみても著しく違反しています。この記事は40年間もの長い間、墜落原因に疑問を持ち続けてきた私ら遺族に対し、新聞というメディアの権力を使って今後モノを言わぬように、さらにレッテル張りをしました。私は絶対に許しません。
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