「日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす」公式ブログ

1985年に起きた日航123便墜落事故を、当時日本航空スチュワーデスとして勤務していた著者・青山透子が、事故の真相を追い求めて綴ったノンフィクション

日航123便調査に関してネット社会の弊害が及ぼす影響 青山透子

日航123便調査に関してネット社会の弊害が及ぼす影響

 いろいろな方が関心を持ち、いろいろ書いているこの事件について、私は、35年間の一次資料や日米公文書、つまり公になった資料や文書を基にして5冊の本を書き上げた。信ぴょう性の高い複数の目撃証言を得てから、この点について補強しつつ、さらに現物は大学の研究機関の専門家の教授に調査を依頼してきた。現在出ている文書をもとに、自分なりに出来ることを出来る範囲で精一杯行った結果、やはり事故調査報告書の推定結論では、当然不起訴となったと思ったのである。そうなると、不起訴となった報告書の結論ではなく、重大な結論が別にあるのは当然である。実際に、異常事態発生音と同時に垂直尾翼の破壊が始まった位置に「異常外力着力点」という存在が事故調査報告書別冊に明確に書かれている以上、そこから調べていくのは当たり前である。それに一切触れずに「異常外力着力点」を未調査のままケースクローズしたことを、521人もの人たちの命と引き換えに鵜呑みには出来ない。ましてや海外遺族も含めて、疑問を持つ人々への説明責任も一切果たしていない。

しかし、例えば不都合な事実を公表する側になった場合、人はどうしても楽なほう、つまり隠すほうの道をとってしまう。そしてそれを指摘されると暴かれると思い、逆に相手を攻撃する。さらに、自分の罪の意識を心の奥底で認識すればするほど、それが表に出ることを恐れる。当然のことながら、自分が罪人となってしまうからだ。そこで、ネット社会が活躍する。匿名で、偽物のIDも作り、全く基礎的な資料も持たない人間が、ただネット検索を繰り返して、自分の都合のいいように書き込む。そして、ネット上にある情報がすべてだと勘違いする。その結果、フェイクニュースを垂れ流す。それで勝てると思い込んでいることが透けて見える。それがいつのまにか正論だとまかり通り、そしてなかったことにすることを夢見ている。これらの行為は、自分の罪の意識を抑え込むので、他人からはその意思が透けて見えても、本人は心理的にどうしても止められない。実際に、必死に私が実在していないと書き続ける、言い続けたい人がいる。このフェイクニュースを出す人間はおろかすぎる、痛々しいほど可哀そうで愚かな行為だと、読者の皆さんからのお手紙にも書いてあった。

実際にコロナ禍の前に、弁護士会館や各大学で私の講演を聞いた人たちは、書き込みなどしない。なぜならば、ネット社会の愚かな人たちの餌食となって茶化すほど、日航123便事件は軽いものではなく、かなり深刻な問題であることを参加者全員がその会場で認識するからだ。

私は講演の際、いろいろな写真をスクリーンに出してきた。その一枚一枚には、魂が宿っていると思えるほどである。そして、講演を聞いた人たちは、当然のことながらこれは事実だと認識し、深いため息と悲しみを超えて自分たちの役割は何かと悟る。役割は、一人一人の行動にある。

自分たちが何も知らずに心穏やかに暮らしている日々に感謝しつつ、35年間も墜落原因を不明としてきた世の中の不条理な現実と向き合う。

これでいいのだろうか。

以下、私が文庫版「墜落の新事実」の文庫用あとがきに書いた文章を含めて、ここに皆さんにお伝えしたい。

日本航空国土交通省運輸安全委員会も、答申書を書いた委員たちも、本当にこれでいいのだろうか。嘘を重ねて得られる利益などないと悟るべきである。彼らが守るべきものは、会社や役所ではない。自分の家族だけを守ることでもない。家族を失った人を守れなかったことを反省しなければならない。

日本航空の仕事の本来の目的は、乗客を安全に運ぶことであって、公共交通機関の一翼を担うのであれば、本当にあったことを自分たちで出し、解明し、反省し、世界にこういう事件を二度と起こさぬよう警告し、具体的な対策を考えることであって、修理ミスのせいにすることではない。反省なき未来はいずれ崩壊する。

 未来永劫その汚点を隠すことは、新たな冤罪をうむ。

 

講演会場で私の話をじっくりと聞いてくれた皆様に感謝します。各大学の特別講義で、自分がまだ生まれる前の赤茶色に色あせた新聞記事を手に取り、深いため息をつきながら、これは都市伝説ではなく本当にあったことなのだと実感してくれた学生の皆さん、約束を守ってくれて本当に有難う。心から感謝します。

あなたたちが創る未来は、けしてこのような事件を放置するような未来ではなく、過ちは隠蔽せず公にし、反省の上に立つ誠実な未来となるよう目指してください。そのためにも今、心ある人々と共に一緒に頑張りましょう。