皆様、お待たせいたしました。多くの方々からリクエストが寄せられた青山透子の第一作「天空の星たちへ―日航123尾あの日の記憶」が、このたび河出書房新社より復刻し新版として生まれ変わりました。
「ネット上では中古本の値段が1万円もするので是非出版してほしい」、「地元の図書館では現在の本も今なお50人以上待ちで、天空の星たちへも30人以上待ちです」等々のお手紙や声援にようやくお応えすることが出来ました!
下記が河出書房新社HPです。今月末発売予定で予約受付中となっております。
ぜひよろしくお願い致します。 管理人
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「皆さんの声に答えられましたことを心から感謝いたします」 青山透子
この本を復刻するにあたり、先日御巣鷹の尾根にご報告してきました。縁あって私の先輩となられた方々の墓標をなでながら、やっとここまできましたよ、と語りかけてまいりました。澄み渡った青空を見上げると、ピンク色の山つつじと山桜が風に揺られてにっこりと微笑みかけてくれた、そういう気がしました。
この新版は、タイトルの「日航123便疑惑のはじまり―天空の星たちへ」の通り、ごく普通の人たちが、ごく普通に疑問を持ち、おかしいなあ、と思った経過を私の授業を通じて皆さんにお伝えしている内容です。発行当初、ご遺族から「私の疑問と学生さんの疑問が同じで、この本を読んだことで頭の整理がついた。有難うございます」というお電話も頂戴しました。
さらに、この本では1985年当時のスチュワーデスと呼ばれていた世代の訓練内容や、日常の風景、殉職された先輩たちのちょっとお茶目なエピソードも多数盛り込まれております。ひとりひとりの顔が浮かぶことで、リアリティが生まれ、共感力をもってこの事件について深く考えたほしいと願って書いたものです。ぜひそういう視点でお読み頂けますことを心から願っております。
当時の訓練における教官の厳しい教育、いざ何かあった場合の対処の仕方と最も重要なエマージェンシー訓練内容、その精神の高さはいつまでも受け継いでいってほしいものです。しかし、現在の状況は労働環境も異なり、そこまで期待することや要望することは難しく、訓練用の教育本も絵が中心となって分量も半分以下です。それに比例して賃金も航空運賃も当然当時とは比べ物にならないほど格安です。時の流れというものでしょうね。
あの日、御巣鷹の尾根で殉職された先輩たちはみな、20代前半から30代前半の非常に若い女性たちでした。既婚者や新婚一か月の先輩もおり、3才の子供もいる普通の女性たちでした。墜落を目前とした機内での毅然とした振る舞いは、乗客の遺書にも[スチュワーデスは冷静だ]と書いて頂けるほどでした。
皆さん、もし自分がそういう環境でいたならばどうしただろうか、と思いながらお読み下さい。そして、この先輩たちは日航側の人間であり、そのご遺族も悲しみを表に出せない辛い日々だった事に、少しは思いを馳せて頂けますと嬉しいです。
墜落原因の不透明さが残っている以上、もう一度きちんと情報を公開していくことが本当の供養であると思います。もしそれを妨げる人間がいるのであれば、それは人倫に反する精神で人以下であり、その究極的理由が自己保身だとすれば、520人の命を軽んじている、としか言いようがありません。
事故調査委員会も、組織優先ではなく、人の道として自分の心に誠実に誇りをもって仕事をしたというのであれば、あの内容がどれほどのものか、その客観性を示す元データの情報を全て公開すればよい話です。過去、様々な当事者からの要望に対して「元データの提示が出来ない」と言い逃れた33年間であった、ということがすべてを物語っているような気がします。
それではぜひ復刻版「日航123便疑惑のはじまり」をお手に取ってご覧くださいませ。
なお、追記ですが、前著の「天空の星たちへ―日航123便あの日の記憶」の電子書籍版は引き続きマガジンランド社より出ております。今回の書籍については、マガジンランド社では継続して紙版の出版が出来ない旨の連絡を頂きましたので、著作権にもとづき河出書房新社に紙の本の出版権を移譲して実現致しました。
下記HPからご予約下さい。関心のある方々にもぜひお知らせくださいませ。
宜しくお願いします。