「日航123便墜落の波紋ー天空の星たちへ」公式ブログ

1985年に起きた日航123便墜落事故を、当時日本航空スチュワーデスとして勤務していた著者・青山透子が、事故の真相を追い求めて綴ったノンフィクション

未来に語り継ぐべきことを放棄するなかれ 青山透子

 管理人です。

今年、「日航123便墜落の波紋―そして法廷へ」を皆さまにお届けすることが出来ましたのも、ひとえに読者の皆様のおかげです。

たくさんの激励のお便りと様々な情報提供に心から感謝です!

この公式サイト訪問者も延べ人数で83万人を突破しました!

来年もますますご支援の程、どうぞ宜しくお願いします。

 

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中曽根康弘元総理大臣の遺言ー政治家は歴史法廷の被告ーから考える

青山透子

中曽根康弘氏への賛美記事のオンパレードだが、それらを書いたマスコミの皆さんは、日航123便に中曽根さんがあれだけ関わった事実をなぜ書けないのかについて、自分自身を深く省みて考えてほしい。このような長いものには巻かれろという日々の思考回路がもたらすものは、戦争もしかり、いじめや隠蔽も、郵政の圧力問題も、政治家の方便の垂れ流し状態も、官僚の汚点も、「与党だから無理、実際に逮捕されなければ書けない、全てが明らかにならないと書けない」、という言い訳がすぐ出てくるが、果たして本当だろうか。

誰かが死亡してから「これは想定外だった」とか、自殺者が出てから「実はいじめがあった」等、いつも後から、事がおきてから関係者の自己弁護が出てくるが、事実を直視せずに無視し、右へ倣えとばかりに集団心理で適当な仕事ばかりしてきた結果、そうなったのであって、本当は誰もが気付く機会がたくさんあったはずである。そこに至る過程を知りつつ報道しない人たちも同罪だ。

中曽根康弘氏のご逝去報道もしかりである。クリスマスの夜に、まるで懺悔とばかりに外務省が80年代後半から90年代の公文書を公開した。その中には「中曽根氏の愛国心溢れる振る舞い」や「鬼の首とったように事実を相手に伝えれば、良いわけではない。時には隠さなければならない」などと、言い訳としか取れない文面が多かった。

公文書といえども都合の悪いものは隠し、一方的に都合の良い文書だけを公開している日本の現状に、「あれではだめです。マリア様は怒っていらっしゃいます」という、キリスト教信者の皆さんの声が聞こえてきたが、私も同感である。不都合な事実を出さず、その公開基準が恣意的であってはならないのである。

恐らく故中曽根氏は自分自身のあるべき姿と、現実に直面してつい犯した事実のギャップに耐えられずに、何も語らず逃げたのだろう。その振る舞いは、当然そう思われても仕方がない。お友達のY新聞のドンW氏もその遺言を引き継ぎ、自民党も隠したいのだろう。すべてこの事件が明らかになれば、故中曽根氏が歴史法廷の被告ではなく、「被告」になるからであろう。

例えば農水省事務次官の息子殺し同様、元事務次官として彼がいかに素晴らしい仕事をしたからといって、息子を殺害した罪からは逃れられず、殺人罪となるのは当たり前である。中曽根氏がどれほど良い仕事をしたからといって、日航123便の墜落原因を知りながら事実を公表せず、遺体を焼失させた事は消せない。35年間もいい加減な事故調査報告書に振り回され続けている私たち国民への謝罪の言葉もないまま逃げたのである。

さらに、犯した犯罪と愛国心はバランスしない。愛国心があったからといって、ミスであれ何であれ、犯した罪が消えるわけがない。

どうしても諸々のしがらみで、報道ができないのであれば、せめて邪魔はしないでほしい。自分たちが出来ないからといって、この問題に正面から堂々と立ち向かっている人たちの邪魔をする権利などない。

くだらない腹いせや難癖をつけてくる人たちは犯人隠匿罪と同様の罪を犯している。わざとデットボールを当てるがごとく、ビーンボールのように姑息な手段で相手をつぶそうとするなどもってのほかだ。私が幼い頃に両親もフアンだった読売巨人軍は、まさかそういうプレーを推進しているわけじゃあるまい。プロであればあるほど、ファンが誇れるようなフェアプレーをするのが当たり前だろう。

自分自身と向き合い、自分に出来る最大限の力で、公文書をきちんと公開してほしいという心ある人たちは、ぜひ協力してほしい。未来は私たちの生き様にかかっている。

 人間としてのふるまいが問われている今こそ、本当に語り継ぐべき事を放棄してはならないのである。

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今年もあとわずかとなりました。

お正月はどうぞゆっくり4冊の本をお手に取ってお読みください。

青山透子の本は、テーマごとになっております。

2010年、墜落機の客室乗務員の先輩方へのレクイエムとして書く決心をし、1985年から25年間の新聞報道を含む全ての1次資料を読み込み、当たり前におかしいと思ったことをきっかけに、「天空の星たちへ(河出書房新社は、疑惑のはじまり)」を出版しました。この本の特徴は、一般人が疑問を持つほど、おかしな事実がたくさんある、という点を中心に書いたものです。

海外の軍関係者から、まるで作戦会議の資料を見たようだと評価してもらったのが「墜落現場を軸としてコンパスでぐるりと円を書いたような当初発表され続けた偽りの墜落箇所」-疑惑のはじまり(p256)の部分です。「疑惑のはじまり」の251ページからじっくりとお読みください。

なお、中曽根さんの1日、という当時の首相の行動については、p260からすべて書いています。群馬県出身の学生の話も併せてお読みください。当時、イギリスで翌週に航空機事故あり、サッチャー首相は休暇返上で駆け付けました(p273)。中曽根康弘氏の「520人が死亡した隣町軽井沢でのありえない、否定しようのない行動」が明確にわかります。

さらに、警察医の大國先生との会話で、「ジェット燃料では遺体が炭のように表も裏も黒焦げにならない」と指摘したところが新たな事実でした(「疑惑のはじまり」p358-p363)。

2017年、「目撃者」をテーマとした本「墜落の新事実―目撃証言から真相に迫る」を出しました。これは全国学図書館協議会選定図書となり、ベストセラーとなったのですが、その理由は上野村の子供たちの文集とそこに書かれた村民による目撃証言、小林さんのオレンジ色に関する重要証言、ファントム2機が墜落前に飛行していた存在を明らかにした点です。

次に「機体遺物」を大学研究機関で科学的に調査分析した本を2018年に出しました。火炎放射器使用の可能性を示唆する「遺物は真相を語る」です。ここで客観的証拠が出たことで大学関係者の支持を得て、早稲田大学でのシンポジウムに繋がったという流れです。

2019年の「墜落の波紋―そして法廷へ」の本は、今後の法的手段を明記しました。

「文章にちりばめられた言葉の一つ一つが心に響く」、「自分の生き方も学んだ」、「勇気をもらった」というお手紙が多数あり、さらに出版社への感謝やお礼の言葉も大変有り難く受け取っております。読者の皆様に心から感謝いたします。

 年末年始、1年間のご自身を振り返りながらお読み頂けますと嬉しく思います。

それでは皆様、どうぞ良いお年を!