「日航123便墜落―遺物は真相を語る・天空の星たちへ」公式ブログ

1985年に起きた日航123便墜落事故を、当時日本航空スチュワーデスとして勤務していた著者・青山透子が、事故の真相を追い求めて綴ったノンフィクション

不可解な取材依頼 

夏休みで不在の先週、突然、週刊●潮の記者が、出版社に電話で作家のプロフィールや勤め先の情報や学歴や、まるでストーカーのごとく執拗に聞く、前代未聞の驚くべき非常識な出来事がありました。電話対応した人曰く「相手は若い記者で、どちらかというと上司に頼まれていやいやかけてきた、という雰囲気だった」そうです。

こちらは文芸の老舗の出版社として作家の個人情報保護は当然であり、作品への取材ならともかく、個人情報を聞き出そうとするその態度に、唖然としたそうです。今度は作家宛に転送してと、「こちらの締切りがあるので明日の16時まで答えて下さい」という内容で、一日前に勝手にメールで送りつけてきたのです。

これで「コメントを拒否された」とか「なしのつぶてだった」などと書くとしたら、大変卑怯なやり方と言えましょう。

しかも質問の内容は、この本をよく読まずに書いたと一目瞭然でした。彼らがやりたいのはそこではなく、本当は作家の個人情報を引き出して、個人攻撃をしたかったのでしょう。

例えば、記事にするなら、御用軍事評論家に「こんなおかしな説を言う人がいる、当然ミサイルのはずはない、火炎放射器などあるわけがない」と言わせ、さらに作家個人のプロフィールに否定する材料を見つけて叩きたい、そういう魂胆が見え見えで悪意に満ちた取材依頼でした。

私がよくお会いするご遺族にこの話をし、弁護士にもその取材依頼の紙を見せましたが「悪質である、言論の自由を否定する、出版社自らが自己否定するやり方で、これで記事にしたら威力業務妨害とも言える」ということでした。

ご遺族からは「失礼極まりない。こうやって個人攻撃ではなく、メディアならばもっと真摯にこの本を分析して真実を共に見つけようとすべきだろう。遺族はいまだに事故原因に納得していない、ということ自体をつぶそうとする卑劣なやり方だ」とおっしゃっていました。

 

その昔、山崎豊子氏に私の本を贈って読んで下さり、返事を頂戴したことがありました。そしてもう一度、ご一緒に私とこの日航123便について調査していただけないか、とも伝えました。その時すでに次の作品に取り組まれており、「『沈まぬ太陽』は、様々な嫌がらせを受けたが、●潮社の当時担当編集者の山田氏は全ての防波堤となって守ってくれた人で、あの人がいたから書けた」とおっしゃっていました。

生前、山﨑氏の『沈まぬ太陽』がベストセラーとなった報告に、山崎氏が御巣鷹の尾根に登った時、その場にいた人から聞いた話では、山の神に本を捧げるとして祈り、「今から、私を支えてくれた山田さんの入院先にお見舞いに行く」といって大変心配そうだったということでした。

今回の私への不可解な取材依頼は、週刊●潮にそういう人のDNAを引き継いでいる人がいなくなったことが露見した、といえましょう。

政治家のような公人でもない作家に対する個人情報の攻撃は、出版社としてあるまじき行為です。ましてやプロフィールは全て真正なものです。何等かの誹謗中傷があった場合、断固抗議します。

週刊●潮も、もっと慎重にしないと、歩兵の勇み足同様、逆に後からそちらが大恥をかくことになるとお伝えします。

そんな企画より、青山透子への嫌がらせや、本の内容を否定して書き込みをする人たちの実態、テレビや雑誌に働きかけている人達(記事との引き換えに、広告費は公費で出ないでしょうから、別の取材リークを持ち込まれたのか?)実はなんと、こんな人たちだった、という特集をしたほうが読者も皆さん喜ぶでしょう。

その裏どりは、そちらにこの企画を依頼した人を取材すればよいのですから、簡単なはずです。

 

なお、フジテレビで日航123便のご遺族のドラマがありました。

あのフジテレビですら「事故調査報告書」の言葉が一切出ず、「事故原因は後部圧力隔壁破壊だ」という言葉も一言も入れませんでした。それなりに、これは画期的だったと思っています。

しみじみと当時を想い出しました。良いドラマでした。