「日航123便あの日の記憶 天空の星たちへ」公式ブログ

1985年に起きた日航123便墜落事故を、当時日本航空スチュワーデスとして勤務していた著者・青山透子が、事故の真相を追い求めて綴ったノンフィクション

御巣鷹の忘れな草が上を向き。(ある新聞の川柳からー読者が送ってくれた言葉)

管理人です。

皆様から出版社についても感謝の言葉を頂まして、ありがとうございます。読者の皆様から、温かいメッセージや敬意を込めた読書感想文など続々届いております。

トーハン(出版商社)の調べによりますと、出版してわずか2か月で全国でベストセラーの10位に入り、先月は9位、今週は5位と徐々に順位を上げてきています。全国的な読者層の広がり、さらに多くの皆様からのご支持を賜り、誠にありがとうございます。特に、遺族の方からのご支援、その関係者からの感謝の言葉が多く、嬉しい限りでございます。

今後とも、是非この本の存在を多くの方に知って頂き、あの日について一緒に考えて頂けますようご支援のほど、よろしくお願い致します。

 

御巣鷹忘れな草が上を向き』青山透子

これは、ある大阪在住の読者の方からのはがきに手書きで美しく描いてあった川柳で、ご本人によれば、9月10日に某新聞で掲載された言葉、だそうです。どなたが書かれたのでしょうか。言葉の隅々に温かさを感じます。勿忘草は、春の季語だそうで、今ではないのですが、もしかして、この季節外れの季語を使い、私の本をお読み頂いて書いて下さったのではないだろうか、と勝手に思っています。御巣鷹の尾根に咲いた忘れ去られると思っていた花草が、そっと上を向いた、そういう気持ちでしょうか。

ネット上には、荒々しい未熟な言葉で他人を批判することしかできない寂しい方がいるようですが、この川柳には、そういうことは一切なく、ただひたすらに上を向く日を待っていた情景が目に浮かびます。センスの良い素晴らしい川柳だと思いました。

今、巷では選挙の嵐よりも台風が心配、という日々が続いておりますが、拙著の183ページに書いた通り、政治の良し悪しを見分ける目を持つには、無知であってはならない、ということをお伝えしたいと思います。

よく、短絡的に(近視眼的に)、思想を右とか左と分けていう人がいますが、これほど馬鹿げて単純な基準はありません。そう書く人は己の無知を恥じたほうが良いと思います。最も重要なことはそのような区分けではなく、公務員になったのであれば、後世の為に都合の悪い公文書を捨ててはならない覚悟を持つ、政治家は自己都合でそれを捨てさせない、嘘で国民をだまさない、自分たちも法を犯した場合は、警察に逮捕されることを肝に銘じて政治をする、民衆に嘘を教えて自分の都合良い方向へ扇動しない、ということが重要です。これらは、右左関係なく、人間として当然の義務です。

私たちの側も子供世代に恥じない行動をする、自分の食い口を最優先せず、間違ったこと、誤ったことをした人には厳しい目を持つ、ということです。特に自然環境保全を優先して考えることが、生命を維持する観点から大切であり、いくら少子化対策と言っても、汚れた大地では子は育ちません。これらについても与野党関係ありません。

日本において私たちは、同じような思想や似たような顔の中で生活をしてきて、人種の異なる人との交流も必要最小限で、多民族国家というほどでもない環境で暮らしてきました。そういう生活では、自己分析や自分を常に客観的に見つめるということが苦手な人が多いと思います。事を荒立てることを好まず、何かあったとしても隠すことで平穏であればそちらを優先する意識が強く働くゆえ、集団主義が芽生えてきたのでしょう。政府機関の横暴さや、政治の偽りに多少のことは目をつぶろう、と思ってしまいがちです。しかし、その結果何がもたらされるのか……。黙認により反省せず、必ず過度な隠ぺいが生じ、いずれは自分に火の粉が降りかかる日が来ることを、様々な事を経験してきた人程、強く感じます。それは戦争経験者や原爆の被ばく者であり、原発事故の被害者にも通じる気持ちでしょう。

日本航空の倒産を例にとれば、今の神戸製鋼東芝同様、隠ぺい体質がその会社を滅ぼすことが分かるでしょう。国も同じだと思います。原発事故も、公文書破棄も、連日の自衛隊の事故も、何等かの兆しと言えます。日航の内部が隠ぺい体質でおかしくなっていった時もミスや飛行機事故が多発しました。それは自衛隊員自身が一番危惧していることでしょう。結局付けを回されるのは現場で働く自衛隊員であり、私たちです。

だからこそ、様々な意見を取りいれた政治をしなければいけないのです。今、それが出来ているのでしょうか。現実に出来ていないから、国民の皆さんが問題だと思っていることを一切解明せずに、公文書も出さない、破棄した、という事実があるのです。これでは、またいつか私たちに火の粉が降り注ぐことになりかねません。事実を見つめる勇気をもたなければなりません。

 

私は皇族フライトで皇太子様(当時の浩宮様)のイギリス留学も担当し、大臣クラスの多くの政治家や本田宗一郎氏と藤沢武夫氏のような実業家のフライトなども担当しました。その中で、ファーストクラスで本物のお客様に共通することは、相手が誰であろうとも、とても気さくで話かけやすく、私たちクルーにも気を使わせないでくださる、ということでした。大臣でも、VIPルームを使わずに、一般人と一緒に待合室にいる人もいらっしゃいました。

それとは別に、地位が高く、お金持ちかもしれませんが、『私はファーストの客だぞ、大臣だぞ、サービスが足りない』という自己顕示欲の強い態度の人には、地位の上に胡坐をかいているようで謙虚さがなく、空威張りばかりが目につき、本物のオーラもありませんでした。これは自分では何もせずに、ネット上で前向きな意見ではなく、ただ批判だけしている人にも共通するでしょう。

このようにその人間が本物の資質を持つ人かどうかを見分ける目は、知恵のみならず知識も必要で、様々な経験などからも養われます。その経験から言いますと、今の政治状況はひどく、取り巻きの人間たち(官邸も含め)のお育ちが悪すぎますし(昔風の言い方ですね)、私利私欲を優先して自分にとって都合の良い人の顔色を見て行動し、国民を見ていないのは事実です。森友問題の人事を見ても、加計問題でもそうでしょう。

私たちに課せられたことは、本物の偽りのない人を見抜いて一票を入れる努力をし続けなければならない、ということです。投票率を上げる必要があるのは、どうしても多様な視点から物事を見ることが重要だからであり、いつもの固定化した人たちによる利益誘導型ではいけないのです。

私自身のルーツからいえば、自民党よりも古く正しい保守系で、日本古来からの家系ですが、だからと言って、今の偽りの保守系の人とは一線を画したいと思います。

そして、御巣鷹の尾根の勿忘草がいつも上を向くように、あの日の事実を見つめ、それを謙虚に自戒を込めてきちんと検証してくれる人を選びたいと思います。